研究課題/領域番号 |
03302043
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 泰治 九州大学, 応力研, 教授 (80038554)
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研究分担者 |
三宅 昭春 有明工業高等専門学校, 助教授 (40038104)
吉村 健 九州産業大学, 工学部, 教授 (80122612)
久保 喜延 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70093961)
前田 潤滋 九州大学, 工学部, 助教授 (40128088)
大屋 裕二 九州大学, 応力研, 助教授 (00150524)
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キーワード | 斜張橋 / 耐風性能 / フラッタ / 渦励振 / 風洞実験 / 主桁断面 |
研究概要 |
本研究の目的はPC斜張橋の耐風特性に関して様々な面から検討を加え、今後数多く架設が予定されるPC斜張橋に対して耐風設計指針を提言することにある。本年度はPC斜張橋の最適主桁断面の選定に関し、2種類の2次元部分模型を製作し、一様流中で風洞実験を行った。2種類の模型の主桁断面は多くの採用が予想される偏平箱型断面である。一つはモデルAと称し、弦長Bと桁高Hの比が約8.8のかなり偏平な断面を有し、他のモデルBはB/H=5.3の標準的な偏平度である。ともにPCであることを相似させて重量は大きい。これらに関してねじり・曲げの2自由度連成、曲げ1自由度、ねじり1自由度の自由振動実験を行った結果、以下の特徴的な耐風性能が明かになった。 i)モデルAに関し、3種の自由振動実験に対して風によるモデルの振動応答は実橋風速80m/s以下では全く問題にならなかった。この理由は重量の大きさに加えて、偏平な断面では物体周囲に強い渦が生成されないことによる。 ii)モデルBに関しては、風に対する迎角が+5゚の時、やや大きな曲げの渦励振が発生した。重量はモデルAと同程度であるが、B/Hが小さいことによる形状としてのブラフネスが効き、周囲に明確なはくり渦が形成されているためである。 iii)モデルA、Bに関して、実橋で予想される重量との相似を無視してかなり小さなスクル-トン数で上記の振動実験を行った場合、曲げ、ねじりの顕著な渦励振、およびねじりフラッタが発生した。 以上より、PC斜張橋はその重量が大きいため、鋼斜張橋に比べ耐風性能は格段に良いが、やはり主桁断面形状として、予想される周囲流れのパタ-ンを十分考慮して設計する必要がある。今後、更に断面形状の耐風特性を検討し、その他、架設系にも検討を加えたい。
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