研究分担者 |
三宅 昭春 有明高専, 助教授 (40038104)
吉村 健 九州産業大学, 工学部, 教授 (80122612)
久保 喜延 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70093961)
前田 潤滋 九州大学, 工学部, 助教授 (40128088)
大屋 裕二 九州大学, 応力研, 助教授 (00150524)
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研究概要 |
本研究の目的はPC斜張橋の耐風特性に関して様々な面から検討を加え,今後数多く架設が予定されるPC斜張橋に対して有用な耐風設計指針を提案することにある。本年度はつぎの二つのテーマに対し集中的研究を行った。1)台風時の強風特性,2)主桁断面の耐風性能を向上させるための空気力学的手法の開発,である。それぞれ以下の成果が得られた。 1)台風時の強風特性について 1991年9月に北部九州を通過した台風17号と19号に関する九州管内の気象官署の風速記録計を巻討したところ,以下の所見が得られた。1.両台風ともに大きな突風率が観測され,多くの官署で突風率が2を越えた。2.この突風率から,両台風による九州管内各地の乱れの強さを試算してみると,30%前後を示し,40%を越える地点もかなり見られた。3.この乱れの強さは耐風設計で通常想定される値よりかなり大きく,風荷重算定時での新たな配慮を必要とする場合が生じると考えられる。 2)主桁断面の耐風性能を向上させるための空気力学的手法の開発 橋梁断面に生じる空力弾性振動は,構造物の上流部隅角部からはがれた流れが流下するときに生じるはく離渦が引き起こす現象であるとの考えに立ち,フェアリング上に複数のはく離点を設けてはく離流の相互干渉作用を利用することによって空力弾性振動を制御する方法を見い出した。この方法はPC斜張橋の開断面,閉断面の両方に有効であり,死荷重を減少させ,空力安定性が増加した。また,ローターを隅角部に設置し,境界増を加速させて流れのはく離を制御する方法も検討し,ある条件が整えば構造物周囲に滑らかな流れをつくり空力安定性が増加することも見い出した。
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