研究分担者 |
小沢 一雅 東京大学, 工学部, 助教授 (80194546)
國島 正彦 東京大学, 工学部, 教授 (00201468)
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所第5部, 教授 (80114396)
大門 正機 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016579)
友澤 史紀 東京大学, 工学部, 教授 (50211404)
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研究概要 |
本研究は,締固め不要コンクリートの実用化・普及を目指し,このコンクリートに使用するための構成材料の開発ならびに製造から施工に至るまでの新しいシステムの開発を行うことを目的として,実験および解析を行ったものである。得られた成果を以下に纏める。 1.セメント系材料の開発 セメントの評価試験方法を開発し,各種粉体の評価を行った。その結果,締固め不要コンクリート用の標準粉体として,中庸熱ポルトランドセメントの規格に適合する粉体を用いることが工学的に適切であることが示された。さらに、セメントと高性能減水剤との組合せにより,異なる変形性状を示す場合があり,両者の相性の問題については,今後の課題として残された。 2.材料設計システムの開発 コンクリートの充填性に基づく,締固め不要実現のための配合設計システムと所要の耐久性を満足しているかどうかを照査する耐久性照査システムからなる材料設計システムを構築することができた。 3.製造システムの開発 練混ぜ機構の解明を行い,これに基づき,2段階混練法による充填性の管理システムを構築した。上段ミキサにおけるトルクを用いた細骨材の表面水補正機能と,下段ミキサにおけるトルクを用いたスランプフロー及びロート流下時間の補正機能を組み合わせることで,所要の充填性に管理することが可能であることが示された。 4.施工システムの開発 締固め不要コンクリートによる施工の合理化を構造形式の選定も含めた施工法の改善により大幅に図れることが明らかとなった。熱赤外線画像を用いたコンクリートの充填確認法の開発を行うとともに,締固め不要コンクリート等の新技術を施工性,耐久性(品質),経済性の観点から総合的に評価するシステムを構築することができた。
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