研究分担者 |
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
粕谷 増男 愛媛大学, 工学部, 教授 (00026254)
森杉 壽芳 岐阜大学, 工学部, 教授 (80026161)
黒田 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (20026157)
青山 吉隆 徳島大学, 工学部, 教授 (80035633)
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研究概要 |
交通ネットワ-クに関しては,これまでフロ-分析に研究の重点がおかれ,ネットワ-ク評価についての方法論的研究は極めて少ない。交通ネットワ-ク,とりわけ道路ネットワ-クは都市活動を支える基盤施設であり,交通機能ばかりでなく空間機能や土地利用誘導機能などの多様な機能を果たすから,フロ-分析から導かれる指標のみによって道路ネットワ-ク施設整備を評価することはできない。都市活動との関連を考慮して,その整備効果を評価せねばならない。 本研究は道路ネットワ-クを,都市活動と有機的な結合関係を有するシステム(道路システム)ととらえ,システムの各構成要素の関連性の中で道路施設の整備効果を体系的に評価するための方法論の検討を目的としている。ここでは,まず,都市活動と道路施設の関連をいくつかの側面に分けて考えていく。今年度は,次に示す側面について考慮した評価方法の検討を進めた。 1.都市圏,あるいは都市圏内の各地域といったそれぞれのゾ-ンは,互いに関連し合いながら都市活動を営んでいる。それらゾ-ン間の相互作用を担保する施設として道路施設をとらえる。 2.都市活動は,生活圏と呼ばれる一体をなすある規模の集積の上に成立している。生活圏の規模は,そこにある交通施設のサ-ビス水準と密接に関連する。生活圏の一体性を高める施設として道路施設をみる。 3.都市の経済活動,特に都市開発や土地利用と道路施設は密接に関連する。都市経済的な,あるいは都市計画的な観点から道路施設整備の効果を評価する。 本年度の検討においても,道路施設と都市活動という道路システムの要素間の関係を有機的にとらえて検討を進めてきたが,次年度はこれらを総合化し,多面的な評価を可能とするような方法論の構築を目指す。
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