研究課題/領域番号 |
03302055
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
難波 直彦 鹿児島大学, 農学部, 教授 (60041612)
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研究分担者 |
三輪 晃一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40032099)
翁長 謙良 琉球大学, 農学部, 教授 (60045101)
国武 昌人 宮崎大学, 農学部, 教授 (10039323)
藤本 昌宜 佐賀大学, 農学部, 教授 (00038241)
高山 昌照 九州大学, 農学部, 教授 (60038312)
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キーワード | 有明粘土 / オンジャク / クロボク / シラス / マージ / セメント安定処理 / 土質改良 / 地盤安定 |
研究概要 |
九州・沖縄地域には特殊土壌が広範囲に分布し、農業生産環境として従来から多くの問題を定起してきた。本研究はこれらの特殊土壌の工学的性質を明らかにし、その分布地域における基盤整備の施工性の向上と生産環境の保全に資することを目的としている。本年度は軟弱地盤の安定施工、クロボク土の土質改良および島尻泥岩層の斜面安定や石灰質砂の溶解機構の解明が進展した。 斜面の安定性と施工性(難波、国武、宜保、大坪)ではシラス、ボラ、泥岩の斜面安定における滑り面上の応力と安全率について検討し、泥岩の残留追度を評価した。盛土の安定性と施工性(高山、東、肥山、岡部、三輪、新城、宮城、小宮)ではセメント改良地盤の掘削による改良効果の検討、シラス混入によるクロボク土の圧縮性や石灰質砂の溶解機構の解明が実施された。すなわち、掘削に伴う改良体について、観測結果と数値解析との比較を行い、クロボク土の圧縮性の改良には70%程度のシラスの投入が必要であること、石灰質砂が水中の炭酸ガスと反応して除々に溶解するために構造物のフィルターやドレーン材として使用できないなどが明らかになった。地盤の安定性と施工性(加来、藤本、甲本、若松)では地盤改良杭を連結して箱型の垂直壁を設ける箱型基礎工法を開発し、地盤の側方流動を阻止し、壁表面における粘土の付着摩擦の発生効果を認めた。またシラスは10kgf/cm_2以上の圧力から粒子破砕が顕著になり、材料の劣下につながることを明らかにした。侵食とその対策(翁長)ではマージ地帯の流出特性を調べた。 本年度は以上の研究の他に、緊急の問題である雲仙岳の火砕流土の処理法についても検討した。さらに研究代表者(難波)が本年度の研究成果を総括するとともに、次年度の最終報告書の目次について論議した。
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