研究課題
総合研究(A)
磁気ディスク装置を中心とした外部記憶装置の高密度化の要求が高まっているが、そのなかで次世代の高密度記録に適した方法として垂直磁気記録方式が提案され、その媒体として垂直磁化膜の作製が盛んに行われている。また、光磁気記録媒体としても同様に垂直磁化膜が利用されている。このような媒体のための薄膜は、結晶レベルからの微細構造制御を行う必要があり、単に既存の成膜技術を改良するだけでなくデバイスとしての総合的な装置設計を考慮した広い観点からの新たな材料設計指針の確立が必要である。本申請者らは、平成3年度、平成4年度において上記テーマにつき多面的な研究を進めてきた。まず、垂直磁化膜をスパッタによるBaフェライトおよびCoフェライト薄膜、まためっき法によるCoNiRePおよびCoNiP薄膜として作製し、リングヘッドによる最適化を検討した結果、下地層に極薄膜の準軟磁性膜をもつ二層媒体が、リングヘッドとの組み合わせには最適であることを明らかにしした。また、それら媒体の構造解析から、異方性をもつ微細強磁性粒子が分散している媒体が、垂直磁化膜に適することを明らかにし、Co濃度偏析を生じさせる媒体設計が必要であることを示した。さらにはヘッド用ソフト材料作製についても引き続き検討を加え、総合的な高機能磁性材料の作製と評価を行った。また、各成膜プロセスに応じた最適設計に関して研究会を数回開き、超高密度記録デバイスの設計指針等を探索した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (14件)