研究課題/領域番号 |
03303011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 悦郎 京都大学, 農学部, 教授 (50026522)
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研究分担者 |
吉田 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (70035377)
野口 忠 東京大学, 農学部, 教授 (50011937)
菅野 道広 九州大学, 農学部, 教授 (70038181)
桐山 修八 北海道大学, 農学部, 教授 (00035396)
木村 修一 東北大学, 農学部, 教授 (70005586)
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キーワード | 細胞分化・増殖 / 脂肪細胞 / 血中コレステロ-ル / 食物繊維 / アボAーI / IGFーI / 膵消化酵素 / ゼノバイオティクス |
研究概要 |
栄養学とは「生体の営みが健全かつ活力のある状態であるために最も良い食物摂取のあり方を追求する学問」であり、健康科学とも予防医学ともいうべきものである。この壮大な課題の解決は、胎児から出発して成熟、老化を経て死に至るまでの生物固有の遺伝子発現制御と成熟期における恒常性維持調節機構といった生命科学の根本的な問題を分子生物学、生化学のレベルで把握し理解することなしには不可能である。本研究はこの視点から、細胞分化・増殖、発育時の遺伝子発現、消化・吸収の制御や内分泌、外分泌、神経系生体防御系の関与機構など生命現象の根本的な問題を対象とし、これらと摂食との関係を総合して新しい栄養系の基盤を確立せんとするものであって、下記のような成果を得た。 ラット小腸由来の株細胞IECー6が分泌する小腸細胞抑制因子を見出し、また脂肪組織中に前駆脂肪細胞の増殖を特異的に促進する因子を見出し、精製を行った(杉本)。各種系統のラットを用いて食塩やアルコ-ルに対する嗜好が系統によって異なることを明らかにした(木村)。食物繊維の血中コレステロ-ル低下作用は、ステロイドの排泄促進ではなく、大腸内で生じる発酵代謝物の生理作用によることを示唆する結果を得た(桐山)。 仔ラットにおける小腸のアポAーImRNA量が食餌脂肪および神経・内分泌系因子の影響を受けることを明らかにした(菅野)。肝培養細胞におけるIGFーImRNA量に対する培地中のアミノ酸の作用を系統的に解析し、必須アミノ酸の重要性を明らかにした(野口)。高タンパク食により、膵消化酵素およびCCK分泌ペプチドのmRNAレベルが上昇することなどを明らかにした(伏木)。アスコルビン酸欠乏による薬物代謝系酵素発現低下機構と、ゼノバイオティクスの作用との関係を解析し新知見を得た(吉田)。
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