研究課題/領域番号 |
03303013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩崎 成夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00013326)
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研究分担者 |
佐藤 良博 共立薬科大学, 教授 (20050726)
山崎 幹夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (70089598)
野副 重男 東北大学, 薬学部, 教授 (50013305)
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
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キーワード | 医薬資源 / 微生物代謝物 / 生理活性 / 天然資源からの検索 / 活性誘導体 |
研究概要 |
本総合研究は、新規な薬理活性物質の資源として確率が高く、且つ、利用上有利な微生物代謝産物を総合的・多面的に探索・研究するために組織され、本年度は以下の成果をあげた。 岩崎は、稲こうじの水抽出物より、先に単離したウスチロキシンAの類縁体を4種単離し、構造およびチューブリンに対する作用を明らかにした。藤多は、木材不朽菌の生産するペプチド性抗生物質TS-B-Vlaとその誘導体を合成し、それらの2次構造を明らかにした。それらの副腎髄質細胞からのカテコールアミン放出活性と構造特性の相関を調べた。野副は、担子菌抽出エキスより新規なドリマン型セスキテルペン2量体を、ニセクロハツより数種のルスフェリン誘導体を得て、それらの活性を検討した。山崎は、モノアミン酸化酵素阻害活性物質を子のう菌より探索し、Monascus anka,Talaromyces luteus,T.helicusから7種の新化合物を得て、構造解明、構造活性相関の検討を行った。佐藤は、天然エストロゲンestradiol-17βの各種誘導体の構造と微小管解重合活性との相関をChinese hamster V79細胞を用いて調べ、17位水酸基の存在が活性に重要であることを明らかにした。田中は、微生物由来のgp120-CD4結合阻害剤を探索し、リンパ球へのHIV感染阻害活性を持つ新規化合物イソクロモフィロンI,II、およびWK-3419Bを発見した。中川は、微生物由来の新規生物活性物質を2種発見した。また、神経突起伸長作用物質ラクタシスチンの生合成経路を明らかにした。中田は、抗ウイルス、抗腫瘍活性を持つマイカラミドAの合成で、右半部分の立体選択的合成を達成し形式的全合成を完成した。長尾は、ジエチルマロネートとバリンから誘導したビスラクチムエーテルエノレートへの各種親電子剤の反応によるα置換セリン誘導体の不斉合成を推進した。
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