研究分担者 |
吉田 静夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (90001651)
飯野 盛利 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50176054)
加藤 潔 名古屋大学, 理学部, 助手 (00109258)
菊山 宗弘 放送大学, 教養部, 助教授 (90131010)
大川 和秋 大阪大学, 教養部, 助手 (30029714)
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研究概要 |
イオン輸送の機構:パッチクランプ法により,シャジクモ原形質膜のCl^-チャンネルの測定に成功した。このチャンネルは電圧感受性をもち,カルシウムによって活性化される。これらのことから,このチャンネルは活動電位の発生に関係しているものと考えられる(大川)。清沢はシャジクモの外液のK^+濃度を上げると膨圧が上昇することを発見した。この結果は植物細胞の漫透調節を考える上で重要である。 情報伝達におけるイオン輸送の役割:シャジクモの活動電位時における細胞内遊離カルシウム濃度の測定を行い,膜電位変化や原形質流動の停止との関係を明らかにした(菊山)。加藤は高等植物の吸水機構を解析するための拡張カナルモデルを用い,ミトリササゲ胚軸切片のストレス時における成長応答を解析した。水野は高等植物の酸成長時における膨圧測定を行い,酸成長時には膨圧が減少することをみつけた。これは酸成長において表皮細胞壁は弛緩されるが、木部側プロトンポンプは活性化されず、能動的吸水が促進されないことを示す。新免はミルフラスモを用い,外液K^+濃度上昇による脱分極時における原形質流動停止の解析を行った。その結果、外液にEGTA,Ca^<2+>,Mg^<2+>を加えると原形質流動が回復することが明らかとなった。高木はオオセキショウモからマイクロソ-ム分画を得,カルシウムの輸送機構を解析し,カルシウムの輸送に2つの機構があることを明らかにした。島崎は孔辺細胞におけるプロトンポンプ活性の制御にミオシン軽鎮キナ-ゼ様タンパク質が関係していることを明らかにした。 ストレス下における膜輸送:吉田は蛍光試薬による細胞内P^Hの測定を行い,低温ストレス時に細胞内が酸性化することを見つけた。岡崎は微小プロント電極を用い,細胞内P^Hとプロトンポンプ活性の関係を調べた。 平成3年9月11〜12日に八王寺セミナ-ハウスで班会議を開いた。
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