研究課題/領域番号 |
03304007
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
清水 建美 金沢大学, 理学部, 教授 (90021203)
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研究分担者 |
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 講師 (90202192)
植田 邦彦 金沢大学, 理学部, 助教授 (60184925)
山田 恭司 富山大学, 理学部, 教授 (70200714)
三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
山口 和男 金沢大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00019879)
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キーワード | オルガネラDNA / DNA分析法 / 塩基配列 / RFL-Ps / 高等植物 / 栽培植物 / 系統解析 / 植物分類学 |
研究概要 |
本研究は、今年度をもって3年間の研究を終了する。この間、参加者12名(1名は初年度のみ)は毎年定期的に集会や打合せ会を行い、密に連絡をとり合いながら研究を進めた。 研究手法の面では、葉緑体DNAの一定領域をPCRで増幅し、RFLPから植物の系統・分類に関するデータを得る方法を試み、一定の成果を得た。葉緑体DNAの研究では、(1)RFLPおよびrbcL遺伝子の-ケンシングの両面からアケビ科植物の系統を究明、(2)キク科ヒヨドリバナ連の研究では、RFLPに解析に基づき、n=10の各属はn-17,25の群から生じたとする倍数体起源説を提唱、(3)同じくRFLPの解析からキク科ヨメナ属は多系統群であること、ノコンギクはヨメナ属を母系とする雑種群であることが示された。一方、栽培植物の変異または起源に関する研究では、ソバ属・ゴマ属・ジャガイモ・コムギ属について、野生種と比較しつつ、RFLPあるいはrbcL遺伝子のシーケンシングにより解析がすすめられた。ミトコンドリアDNAでは、栽培ダイズおよびツルマメのcoxIIおよびatp6遺伝子のRFLPの研究から、栽培ダイズは北海道西南部から東北地方にかけて数個の系統が混在、当域への移住や当域での分化が繰り返し行われた事実が確かめられた。また、サトウダイコン・リンゴ・イネ・コムギなどの作物の系統やそれらの由来の一端がそれぞれに解明された。 1993年9月、日本遺伝学会第65回大会(三島)では、シンポジウム「高等植物の分子分類学-DNAの語るもの」(オーガナイザー寺地徹)を開催した。また、10月23日、金沢大学理学部において、成果発表会を行い、同時に研究のとりまとめと次期研究計画のための打合せを行った。前述の研究成果の詳細は、研究成果報告書(A5,約200頁)として現在印刷中である。
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