研究課題/領域番号 |
03304013
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大久保 一良 東北大学, 農学部, 教授 (00005612)
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研究分担者 |
原田 久也 農林水産省, 生物資源研究所, 室長
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
日向 康吉 東北大学, 農学部, 教授 (00005589)
星川 清親 東北大学, 農学部, 教授 (60011871)
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キーワード | 大豆起源種解明 / 大豆種子資源探索 / 野生大豆作物化 / サポニン組成多型性 / 新規大豆サポニン / グル-プAサポニン欠失変異 / 野生大豆花器形態 / 大豆貯蔵タンパク質組成変異 |
研究概要 |
1.既存大豆コレクションの化学分析による起源種の推定 農水省生物資源研究所、岩手大学農学部遺伝育種研究室及び東北大学農学部食品生物工学研究室に保存されている世界各国からの採取場所の明かな大豆コレクション約5,000種を材料とし、各種化学分析を実施した。サポニン組成多型性分析結果から、栽培大豆(G. max)については、起源地は中国東北部であるというこれまでの説と一致したものの、野生大豆(G.soja)については日本が起源地の一候補と考えられる結果が得られた。未確認サポニンを多量に含む変異種が見いだされたことから、新規サポニン4種を分離した。また、変異体を用いた交配F1種子のサポニン組成分析により、大豆サポニンAbの糖鎖伸長に関する代謝経路が推定された。更に、貯蔵タンパク質組成変異体を発見した。以上、起源種解明に向け新たな知見が多数得られた。 2.有用品種の栽培試験による作物化の検討 サポニン組成変異体並びに東北地方に自生する野生大豆を中心に系統別栽培試験を実施した。この結果、野生大豆の持つ他家交雑率の高さは、花器の形態的特徴により引き起こされる可能性が示唆された。 3.野生大豆生育地の予備調査 北海道南部と青森県付近及び九州北部に変異が集中している傾向が見られたことから、これら地域の野生大豆を入手、分析した。グル-プAサポニン欠失変異体が見いだされ起源種解明につながるものと期待された。 4.結果の検討 平成4年1月、仙台で野生大豆に関する討論会を開催し、総合考察並びに来年度の調査方法の検討を行った。
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