研究課題/領域番号 |
03304014
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
苫名 孝 近畿大学, 農学部, 教授 (40007050)
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研究分担者 |
水野 宗衛 玉川大学, 農学部, 助手 (10166027)
米森 敬三 京都大学, 農学部, 助教授 (10111949)
宇都宮 直樹 京都大学, 農学部, 助教授 (60026622)
井上 弘明 日本大学, 農獣医学部, 助教授 (30060239)
山下 研介 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70041035)
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キーワード | 花粉形態 / 花粉発芽 / 受粉・受精 / 花型 / 花芽分化 |
研究概要 |
1.マンゴ-の花芽分化は12〜1月に行なわれ、花器の形成は開花1ー2週間前から急速に行なわれることが観察された。小花は完全花か雄花になり、昆虫の導入により種子が形成され、人工受粉では受精が不可能であった。花粉は柱頭上だけで発芽し、人工培地上ではほとんど発芽しなかった。このことからマンゴ-は虫媒花であることが明らかにされ、受精には柱頭が重要な役割をしていることが推察された。20℃では30℃に比べ花芽分化が促進され、完全花の割合も高くなったが、受精は温度の影響を受けなかった。軽い水ストレスも花器形成を促進した。GAは雌ずい器官を退化させ、エスレルとBAはそれらの形成を促進させる傾向が見られた。 2.アボカドの花粉は発芽孔のない形態的な特徴を持ち、このことが人工培地上や人工受粉で花粉発芽が困難になる原因の一つになっていると考えられた。 3.ゴレンシの花芽は隠芽で形成され、小花は二異花柱花で長い雌ずいとみじか雌ずい、長い雌ずいと短い雌ずいを持つ花型があり、各品種はどちらかの花器構造を持つことが明らかになった。 4.チェリモヤの受粉・受精は冷涼多湿な条件下で良好となり、高温乾燥下では花粉の発芽が抑制される、発芽力が急速に失われる、柱頭の表面が乾燥するなどして受粉が抑制された。この花の花弁は厚くて長いが、このような構造が柱頭付近の湿度を高く保ち、受粉・受精に好適な条件を作り出していると思われる。 5.パッションフル-ツは子房が充実し、受精可能な状態になると花柱が水平になり、柱頭が葯に近付き、受精が容易に行なわれるような構造になる。子房が高温などの不良条件で発育が悪くなると、花柱は直立したままで受粉は行なわれにくくなる。
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