研究課題/領域番号 |
03304033
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
溝井 泰彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00030809)
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研究分担者 |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
井尻 巌 香川医科大学, 医学部, 教授 (90113183)
龍野 嘉紹 神戸大学, 医学部, 教授 (80030831)
佐藤 喜宣 杏林大学, 医学部, 教授 (30154115)
柳田 純一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70049790)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 死因統計 / 国際疾病分類 / 異状死体 / 死体検案書 / 監察医制度 / 虚血性心疾患 / 心不全 |
研究概要 |
1.東京、神奈川、大阪及び兵庫の各都府県における監察医制度施行区域(以下業務区域という)と非施行区域(以下区域外という)並びに同制度のない滋賀及び香川両県を調査対象とした。平成2年1月1日から同年12月31日までの間に発生した異状死体すべてについて、死体検案書に記載されている死因等のデータを国際疾病分類に基づき各都府県毎にパソコン上のデータベースとして構築した。次いでこれらのデータを集計して、種々の統計表を作成した。 2.調査した全異状死体数は23,833であり、その死亡の種類別割合は、病死58.9%、不慮の中毒0.6%、災害死15.5%、自殺19.2%、他殺1.0%、その他及び不詳の外因死3.7%、内外因死不詳1.1%である。 3.病死の総数は14,042であり。そのうち、業務区域は8,549、区域外は5,493である。 4.病死の器官系別割合は、業務区域では循環器系69.4%、消化器系9.4%、呼吸器系8.3%、その他12.9%であり、区域外では循環器系84.7%、消化器系3.9%、呼吸器系3.0%、その他8.5%である。 5.循環器系疾患の死因別割合は、業務区域では虚血性心疾患52.5%、心不全10.2%、その他の心疾患5.2%、くも膜下出血4.3%、脳内出血14.0%、その他の脳血管疾患3.5%、その他の循環器系疾患10.4%であり、区域外では虚血性心疾患21.7%、心不全60.3%、その他の心疾患1.9%、くも膜下出血2.4%、脳内出血4.5%、その他の脳血管疾患5.8%、その他の循環器系疾患3.4%である。 6.病死例の剖検率は、業務区域では50.2%、区域外では1.9%である。 7.病死の器官系別割合、及び、循環器系疾患の死因別割合において、業務区域と区域外との間に著しい差異が見られるのは、区域外において解剖率が低いことが主たる原因と思われ、監察医制度が如何に重要であるかを示している。 8.区域外の死因に原因不明の心不全が多い理由は、解剖率の低いこととともに、検案する医師の間に、国際疾病分類の存在がよく理解されていないことに一因があると考えられ、広く医学教育の面で考うべき問題である。
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