研究分担者 |
宝来 聰 国立遺伝学研究所, 人類遺伝学教室, 助教授 (40126157)
杉江 秀夫 浜松医科大学, 助手 (60119980)
小林 正紀 名古屋市立大学医学部小児科, 助手 (50170353)
荒畑 喜一 国立精神, 神経センター神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (30053325)
後藤 雄一 国立精神, 神経センター神経研究所・微細構造研究部, 研究員 (20225668)
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研究概要 |
(1)ミトコンドリア脳筋症のDNA診断および病態の解析 ミトコンドリア脳筋症の診断には組織化学的、生化学的、分子生物的な総合判断が不可欠である。これらの方法を駆使して本年度は、慢性外眼筋麻痺症候群(CPEO)14例、メラス(MELAS)18例、ミオクロヌスてんかん(MERRF)3例の診断を行った。個々の症例のミトコンドリアDNAはバンクに入れた。上記3大病型以外でもLeigu脳症8例、その他11例のミトコンドリア脳筋症を診断し、組織、DNAはバンク入りさせた。またLoigh脳症1例からは新しくミトコンドリアDNA変異(89,93番目のA→G変異)を見出した。 (2)進行性筋ジストロフィーにおける遺伝子解析、ジストロフィン蛋白の発現 進行性筋ジストロフィー(DMD33,BMD18,肢帯型15,頻面肩甲上腕型4,福山型9,非福山型5)の遺伝子解析を行った。DMD,BMDでは51例中27名にジストロフィン遺伝子の欠失を認めた。その他の筋ジストロフィーではジストロフィンに異常はみられなかった。顔面、肩甲上腕型では日本人家系でも4q35-qterのマーカーp13E-11に連鎖する例が10人中8人あり、欧米人と同じ遺伝子座をもっていることが明らかとなった。また筋緊張性ジストロフィーでは(CTG)nの増加が明らかとなった。 (3)代謝性筋疾患の診断、肩態解明に関する研究 代謝性筋疾患は新にカルニチンパルミチルトランスフェラーゼ欠損2例、多カルボキシラーゼ欠損1例、糖原病10例(分枝酵素欠損2例、PFK欠損1例、McArdle肩2例、PGK欠損1例、酸マルターゼ欠損1例など)を酵素学的に診断した。糖原病II型では遺伝子解析を行っているが、まだ一定の変異はみられていない。
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