研究課題/領域番号 |
03304035
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲田 哲雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50114038)
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研究分担者 |
河内 清光 放射線医学総合研究所, 重粒子研究部, 部長 (60161329)
平尾 泰男 放射線医学総合研究所, 所長 (10013351)
加藤 和明 高エネルギー物理学研, 放射線安全管理センター, 教授 (90044750)
丸橋 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30114135)
辻井 博彦 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (50088853)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 陽子線によるがん治療 / 陽子加速器 / 陽子線治療施設 / コンパクト・サイクロトロン / アイソセントリック・ガントリ / 大照射野形成 / 陽子線のコスト・ベネフィット |
研究概要 |
本研究では、がん治療を主たる目的とする陽子線照射施設を病院に近接して建設するにおいて、可及的コンパクトで効率の良い施設とするために、加速器、ビームライン、照射制御、建屋および放射線安全管理の各面につき、必要最小限の施設・設備はいかなるものであるかを総合的に検討した。本研究による主要な提案は次の二点である。 1.高磁場コンパクト・サイクロトロンの採用 一様に磁化した鉄中に回転楕円形の空隙を作ると、そこに一様な高磁場が形成され、磁場の強さは楕円の長軸/短軸の比に依存する。この現象を利用して、ヒルギャップを楕円形状として、最外周まで一様なヒル磁場を実現させる。また上記楕円形状の磁場により、ポール外部の漏洩磁場を急激に減少させ、ビーム引き出しを容易にする。このような磁石を用いることにより、直径4.3m、高さ2.1mのサイクロトロンにより陽子を230MeVに加速可能となった。すなわちこの高磁場コンパクト・サイクロトロンの開発によって、治療用陽子加速器に要求される小形化、コストの低減、運転の省力化が達成できる。 2.回転ガントリの導入 患者の病巣を中心に回転するいわゆるアイソセントリック・ガントリを陽子線照射系に導入することとした。この方式の問題点はその回転半径が大きくなることであるが、陽子線束を均一な大照射野に拡大するために二重散乱体法が考察されて、約5mの半径に抑えることができた。 なお、本研究においては、陽子線治療の評価、加速器施設の所要の性能、最適な加速器機種を検討し、これらにもとづいて陽子線治療のコスト・ベネフィットを算定した。
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