研究課題/領域番号 |
03304036
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013972)
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研究分担者 |
秋山 一文 岡山大学, 医学部, 講師 (40150990)
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部, 助教授 (50094454)
西川 徹 国立精神, 神経センター,神経研究所, 室長 (00198441)
川合 述史 自治医科大学, 教授 (00073065)
小山 司 北海道大学, 医学部, 教授 (10113557)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 興奮性アミノ酸 / 精神分裂病 / てんかん / フェンシクリジン / NMDAレセプター / ドーパミン / 神経毒 / 脳 |
研究概要 |
1.分裂病死後脳の大脳皮質において、NMDAレセプター複合体のグリシン結合部位が増加しており、興奮性アミノ酸神経伝達に対する代償的変化である可能性が考えられた。 2.ラット前頭前野において、NMDAレセプターはドーパミンニューロンに対して抑制的に作用しており、この相互作用にはGABAニューロンが介在している可能性が示唆された。 3.NMDAアンタゴニストによって引き起こされるラットの異常行動が,NMDAレセプター機能を促進する物質によって抑制されること、さらにこの物質のひとつであるD-セリンが、ラットやヒトの脳内に存在することが新しくわかった。 4.キンドリングラットの扁桃核/梨状葉皮質において、代謝型レセプターのmRNA含量には変化がなかったが、このレセプターに共役したイノシトールリン脂質代謝回転が長期間にわたり亢進していることがわかり、この亢進がけいれん準備性に関与していると考えられた。 5.キノリン酸の脳室内投与によって誘発されるけいれんは、NMDAレセプターを介した神経伝達が亢進することによって発現するが、低用量ではNO系が、高用量ではL型およびT型Ca^<2+>イオンチャンネルがさらに関与している可能性が示唆された。 6.遅発性神経細胞死のメカニズムに、細胞内CA^<2+>の上昇、non-NMDA型でCa^<2+>透過性の増加を示すグルタミン酸電流成分の増加、ならびにイノシトールリン脂質代謝障害が関与している可能性が示唆された。 7.メタアンフェタミンンのドーパミンニューロンに対する神経毒性は、NMDAレセプターを介したグルタミン酸神経伝達の亢進状態が関与することが明らかになった。 8.脳内のNMDAレセプター複合体には、多様なタイプが存在することが、レセプター結合実験や核内転写制御因子に関する実験で明らかになった。
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