研究分担者 |
豊坂 昭弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20068498)
水田 祥代 九州大学, 医学部, 教授 (30038856)
横山 穣太郎 慶応大学, 医学部, 教授 (80051407)
鈴木 宏志 三重大学, 医学部, 教授 (20004632)
森田 建 日本大学, 医学部, 教授 (50058814)
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研究概要 |
平成3年度では平成3年9月6日と平成4年1月24日の2回の班会議を行い,本疾患群の病態と治療について検討を行った。更に本邦主要施設における本疾患のアンケ-ト調査を行い,また本研究班内での病理標本の集積を行った。その結果,本疾患群の重要な課題であった分類については,(1)壁内神経系に形態的異常を認める群と,(2)管壁内神経系には通常の検索では認められない群の2つに大きく分類して検討していくことになった。更に腸壁内神経系に異常を認める群では,腸管壁内神経叢内のa)神経細胞の数の減少群(HyopoganglionosisまたはOliganglionosis)とb)神経細胞の未熟群(immaturity of ganglia),c)神経細胞の減少と未熟の両方がみられる群(Hypogenesis of ganglia)の大略3つに一応分類し更に検討を行っていくことになった。神経細胞の異常群の検討では,神経細胞の減少群では減少の程度は著しく,量的には正常の1/4〜1/5以下であり,大部分は大腸から小腸の上部に至る広範な長節の異常であった。また部位により減少の程度の異なるものがあり,大腸では減少の程度の少ない例の報告があった。未熟のみ群が存在し,このものはmeconium ileus without mucoviscidosisと同一の病態を呈している可能性が強いことが示唆された。未熟群でも未熟範囲は広範に及ぶが,このものは加齢と共に成熟化し一般に予後良好であり,手術療法としては回腸瘻造設が最良の治療であることが示唆された。減少と未熟の両方がみられる群では,減少群のみとの差は単に検索時期の差異によるとも考えられ,今後の検討を要するものと考えられた。アンケ-ト調査中間検討では総数52症例が集積され,その内訳は壁内神経細胞異常【symmetry】群37例,異常【.horizontally divided circle.】群13例,不明2例であり,異常【symmetry】群では減少群が予後において不良であった。本疾患における免疫組織学的検索synaptophysin,neurofilament,ガラニンン等からの検討を行っているが今後の問題である。
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