研究課題/領域番号 |
03304038
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
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研究分担者 |
並河 尚二 三重大学, 医学部, 助教授 (50024716)
小松 作蔵 札幌医科大学, 教授 (00045329)
古瀬 彰 東京大学, 医学部, 教授 (70010163)
富田 正雄 長崎大学, 医学部, 教授 (70039808)
加藤 治文 東京医科大学, 教授 (20074768)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 肺移植 / 心肺移植 / 保存 / 徐神経 / 拒絶反応 / 免疫抑制 / 肺水腫 |
研究概要 |
1.肺および心肺保存 細胞外液型電解質組成保存液が細胞内液型電解質組成保存液よりも優れていることが示され、従来の臓器保存液組成の概念が完全に覆された。保存液の添加物としてブドウ糖に変わりtrehaloseの有効性が確認された。中でもEp4液によるサル24時間肺保存実験では対照と比較して全く同等の移植肺機能が示された。 2.拒絶反応の診断と治療 純系ラット肺移植モデルによる研究から、拒絶反応の進行と共に移植肺BALF中のIL-2受容体陽性細胞数の増加とT4/T8比の低下と各種サイトカインmRNAの発現の増強が示され、免疫寛容モデルにおいてTNF発現の欠落から拒絶反応に伴う組織障害とTNFの関係が示唆された。サル同種肺移植実験においても胸腔内洗浄液中のリンパ球表面マーカーの解析から、同様にT4/T8比の漸減が認められた。ドナー培養線維芽細胞を標的細胞としたレシピエントT細胞の細胞障害活性解析から、拒絶反応の進行に伴いドナー特異的細胞障害活性が上昇することが示された。画像的には1H-MRIを用いた移植肺内水分動態の測定が行われ、SIおよびT2の上昇が拒絶反応の早期から検出されることが判明した。移植肺内接着分子の検討から肺胞上皮細胞にICAM-1が発現され、LFA-1陽性Tリンパ球の標的細胞となる可能性が示された。免疫抑制法に関する研究では肺移植における免疫抑制剤としてFK-506の有効性を確認した。 3.移植後肺水腫 純系ラット同系肺移植モデルにおいて移植肺肺水腫の形成における肺血管α受容体のsupersensitivityの関与が示唆され、さらにsubstance-Pの関与も示されたことから移植肺肺水腫の形成における神経切断の意義が強調された。また、血小板活性化因子阻害剤の投与が移植後の肺水腫の防止と肺循環の改善に有効であることも確認された。
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