研究分担者 |
福山 宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60037546)
高木 亨 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (20124696)
久保木 芳徳 北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)
長塚 仁 岡山大学, 歯学部, 助手 (70237535)
竹下 信義 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00118275)
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研究概要 |
歯原性腫瘍の骨原性腫瘍の鑑別診断に必要な酵素処理,脱灰処理の影響について検討した。 1.脱灰液による染色性の差は殆ど認められなかったが,EDTA脱灰では基底膜部でエナメル芽細胞と象牙芽細胞とが剥離することが多い。 2.エナメル基質蛋白の免疫染色時の酵素処理にペプシンおよびトリプシンを用いて比較した結果,トリプシン処理では核が染色された。よってラットではペプシン処理を行う必要がある。 3.生後1日のエナメル基質蛋白および基底膜蛋白の検索結果より,従来INAIらが報告しているように基底膜の消失部位に一致してエナメル基質蛋白が象牙前質および象牙芽細胞間側へ拡散することが認められた 次にラット下顎頭を用い,硬組織の主要な基質タンパク質であるコラーゲン分子種の免疫組織化学的染色における酵素処理の影響を比較検討した。 1.7顎頭軟骨におけるコラーゲン免疫染色の酵素処理法として,I型およびIII型はヒアルロニダーゼ処理が,II型はペプシン処理が良好な染色性を示したことから,コラーゲンの分子種の相違により適切な酵素処理法を選択する必要があることが示唆された。 2.下顎頭軟骨部では,I型およびIII型は線維層で強陽性であり,II型は成熟層,肥大層で強陽性を示した。 3.骨基質昇成部位では,I型は骨基質,類骨で陽性を示し,石灰化軟骨は陰性であった。II型は,石灰化軟骨で陽性を示し,骨基質,類骨は陰性であった。III型は,類骨で陽性を示し,骨基質,石灰化軟骨は陰性であった。即ち,骨基質形成部位でのI型,II型,III型の分布に相違がみられた。
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