研究課題/領域番号 |
03304045
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大場 義樹 金沢大学, 薬学部, 教授 (10012634)
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研究分担者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
石橋 貞彦 広島大学, 医学部, 教授 (90012616)
岡本 宏 東北大学, 医学部, 教授 (60025632)
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
名取 俊二 東京大学, 薬学部, 教授 (50012662)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | オルガネラ構成因子 / 薬物 / 受容体 / 細胞膜 / 細胞質 / 細胞核 / トランスダクション / 遺伝子調節 / G protein |
研究概要 |
本研究班は研究遂行上オルガネラの存在領域を細胞膜、細胞質、細胞核に分類して3の小グループを結成した。本年は最終年度であり、平成5年6月と平成6年2月に班会議を開催して全体としての総活を行った。各グループの業績は次のとおりである。(1)細胞膜機能分子ならびに2次メッセンジャー発現と細胞質因子の相互作用:リン脂質(赤松)コレステロール(井上)の生合成と細胞質膜への輸送。(2)細胞質オルガネラ機能分子の動態:ペルオキシソーム形成に対する坑トリパノソーム薬の影響(高野)。肥満細胞(市川)セロトニン受容体(野村)とG蛋白との関連性。リボソームに対するポリアミンの影響(五十嵐)。インスリン分泌に対するサイクリックADP-ribose(岡本)(3)細胞核内機能分子に対する外来刺激とその応答:甲状腺(大場)ステロイド(野田)グルカゴン(市山)ホルモンに応答する遺伝子の発現調節。細胞核膜形成に対するG蛋白質の関与(名取)。 班会議では各班員により報告された成果に基づき、外来情報の受容体からトランスダクションを経て、セカンドメッセンジャーにもたらされた情報が標的遺伝子に到達する過程について論議を交わした。そのなかで脚光を浴びたのは岡本の成果である。膵ランゲルハンス島からのグルコース刺激によるインスリンの分泌に必須な小胞体からのカルシウムイオンの動員には、NADから合成される新しい物質であるサイクリックADP ribose(cADPR)がセカンドメッセンジャーとなっている。更にcADPRの合成は、ADP-リボシルサイクラーゼとcADPRヒドラーゼの活性を持つCD38分子により調節されることを彼は発見した。他に見るべき成果としては、プロスタグランヂンEP3受容体のアイソフォームの発見(市川)。センチニクバエより得られる坑かび性蛋白質の単離同定(名取)。ポリアミン類による細胞分裂調節機構の解明などがある。
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