研究課題/領域番号 |
03304055
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大西 俊一 京都大学, 理学部, 教授 (00025272)
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研究分担者 |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
馬淵 一誠 東京大学, 教養学部, 教授 (40012520)
宝谷 絋一 帝京大学, 理工学部, 教授 (80025444)
神谷 律 東京大学, 理学部, 教授 (10124314)
楠見 明弘 東京大学, 教養学部, 助教授 (50169992)
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キーワード | 細胞生物学 / 生物物理的アプローチ / 細胞の形 / ナノメーター計測 / 細胞間接着 / 細胞内小胞輸送 / ヘミデスモソーム / カドヘリン |
研究概要 |
本年度はこの総合研究Aの課題と同じシンポジウムを開催した。11月5日午後2時から7時頃まで、日本生物物理学会の年会のシンポジウムとして、分担者および非分担者による7つの議題が提供された。オーガナイザーは大西俊一と楠見明弘で、1.はじめに:ナノ計測顕微鏡法による細胞膜動態の研究「1分子観察・操作と蛍光イメージング」楠見明弘、2.新しい光学顕微鏡技術による細胞過程、分子過程の直視と操作 木下一彦、3.生体膜、細胞骨格のSTM・AFM観察 宮本宏、4.細胞質因子による細胞間接着と組織構築の制御 竹市雅俊、5.染色体の伝達構機 柳田充弘、6.中枢に向かう分子神経生物学 三品昌美、7.神経細胞、細胞骨格の分子細胞生物学「物質輸送、形態形成、情報伝達」広川信隆、である。前半は生物物理的な色彩の濃い議題であり、後半は細胞生物学的分野の話であった。 楠見、木下はいずれも光学顕微鏡を用いて細胞過程や分子過程の研究を述べ、マイクロスコピーからナノスコピーへ発展しつつあることを、宮本は最近の走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡を用いた生物試料の研究を述べ、細胞骨格と裏打ち構造を述べた。竹市は細胞の接着因子カドヘリンが、一群の細胞質因子カテニン、プラコグロビンなどを必須とすることを、柳田は分裂酵母の系を用いて、染色体分配に3つの重要な構造体の変化を制御するパスウエイを示した。三品は、中枢における神経情報伝達に重要なグルタミン酸受容体チャネルを研究し、十数固を越える分子種が在存することを述べた。広川は、神経細胞の形態形成と微小管関連タンパク質MAP_sの機能と、細胞内物質輸送の機構と新しい微小管結合モニター分子の同定の話をした。 このようにして生物物理的な方法と細胞生物学のドッキング益々盛んになると思われる。
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