研究分担者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
大村 恒雄 九州大学, 医学系研究科, 教授 (80029933)
石村 巽 慶應大学, 医学部, 教授 (40025599)
木下 一彦 慶應大学, 理工学部, 教授 (30124366)
清水 透 東北大学, 非水研, 助教授 (40118956)
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研究概要 |
以下のような画期的な人工細胞の設計・作成に成功した。(1)抽出精製した副賢皮質のチトクロムPー450(scc)+還元酵素系と、抽出精製したチトクロムPー450(c21,17α)+還元酵素系を、リン脂質再構成膜に組み込んだ、ホルモン合成人工細胞(小南、原、大村、石村、川戸)。 (2)睡眠薬、化学発癌物質、制ガン剤、抗生物質などを活性化・解毒する肝臓チトクロムPー450(b,c,d)+還元酵素系を、遺伝子発現で酵母細胞に組み込んだ薬物代謝応答人工細胞と、抽出精製したチトクロムPー450(b,c,d)+還元酵素系をリン脂質再構成膜に組み込んだ薬物代謝応答人工細胞(清水、大村)。(4)アクチンの細胞骨格系を備えて外からの電場などの刺激に対して応答する人工細胞(木下)。(5)基質の変化で電子伝達スイッチをONーOFFするチトクロムc3、バクテリアPー450camを組み込んだ人工細胞(吉川、阿久津、石村)。 上記の標品について次のような注目すベき解析結果が得られた。(1)蛋白回転運動計測や時間分解スペクトル計測による電子伝達・薬物代謝・ホルモン合成などの相互作用を解析した。Pー450の分子回転でPー450と還元酵素の一時的複合体形成がPー450の種類によって異なることを発見した。チトクロムC3が膜内にはいることをみつけた。(川戸、阿久津)。(2)蛍光標識のスペクトル計測、蛋白変性計測によって視覚蛋白の膜におけるトボロジ-を解析した(阿久津、神山、津田、美宅)。(3)顕微動画計測による細胞骨格系や情報伝達物質の運動・移動の解析を行ない、細胞骨格の方向性を持った運動の観測、刺激により細胞外Caが核内にまで移動することや、細胞表面レセプタ-の細胞骨格に制限された移動などを初めて見いだした(木下、楠見、中西)。
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