研究概要 |
本研究の目的は,以下の3点である.1.中国における風水思想とその変遷,及び朝鮮・沖縄におけるその受容と展開を風水書や民間説話などの文献・民俗資料を通して明かにし、各地域の比較を行う.2.日本の中でも復元可能な沖縄地域の風水説の受容,政治・歴史的背景との関連,近代以降の変容を,文献と野外調査を踏まえて総合的に検討し,その全体像を解明する.3.以上の個別研究を踏まえ,沖縄を中心として韓国・台湾・香港の風水文化の異同を学際的に比較検討する.これら目的の達成のため,本年度は,3回の研究会を開催し,次のような発表を得た.[中国(香港・台湾)の風水]中国華北の墓地風水(中生勝美),漢族の風水知識と居住空間(渡邊欣雄),族譜にみる風水関連事項ー香港新界の事例からー(瀬川昌久),双龍の村と龍虎の村ー中国浙江省風水見聞録ー(小熊誠),台湾風水行(三浦國雄),[韓国の風水]韓国の風水と祖先崇拝(崔吉城),李朝初期の風水(野崎充彦),朝鮮のすまいと風水思想(西垣安比古),[沖縄の風水]沖縄の風水関係史料について(玉木順彦),石垣島の風水史料紹介(新城敏男),風水文書にみえる空間測定法(都築晶子),元文検地の歴史的背景(田里修),元文検地の測量技術(安里進),沖縄の自然と村と風水(目崎茂和),沖縄の集落形態について(町田宗博),近世羽地大川の改修について(中村誠司),杣山の風水(仲間勇栄),沖縄の屋敷風水(渡邊欣雄),八重山の建築儀礼(赤嶺政信),古琉球的世界観の崩壊と風水的世界観の登場(照屋正賢),蔡温と風水地理(討論会),[日本の風水]古代日本の都市計画と意味(千田稔),現代家相の諸相について(浦山隆一),[公開講演会]中国の風水(中生勝美),人類文化と沖縄ー風水思想から考えるー(渡邊欣雄)
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