研究課題/領域番号 |
03305008
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
舟久保 煕康 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (10010688)
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研究分担者 |
根本 繁 東京大学, 医学部, 助手 (20228290)
高倉 公朋 東京女子医科大学, 脳神経センター, 教授 (90109984)
小山 浩幸 芝浦工業大学, システム工学部, 講師 (40052881)
米田 隆志 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (90011030)
内田 干城 芝浦工業大学, 教育・研究センター, 助教授 (90203538)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 脳神経外科 / 脳動脈瘤 / クモ膜下出血 / カテーテルコイル法 / 形状記憶合金 / 血管補修材 / 血栓化 / マイクロカテーテル |
研究概要 |
本研究は開頭手術に代わる脳動脈瘤の新しい血管補修方式として、カテーテル内に挿入可能な形状記憶合金を用いた補修材を病変部位に留置して、脳動脈瘤の血栓化を行う血管補修方式の基礎的開発を行うものであり、以下の項目について実施した。 1.開頭手術に代わる低侵襲で脳動脈瘤を治療するための血管補修方式の開発 本血管補修方式の開発は形状記憶合金を用いた補修材、補修材の切り離し機構、形状回復用カテーテル、形状回復温度制御装置について行った。補修材の留置部位は動脈瘤の根元の動脈壁とし、桑軟性のある血管内で強固に固定するために剛性がある0.15mmのTiNi系形状記憶合金ワイヤーを用い、形状はコイル状とした。補修材はコイル状に記憶熱処理させた後、カテーテル内に挿入するため直線状にする必要があり、さらに生体内でコイル形状に回復させる。以上の考慮した熱処理実験を行い、示差走査熱量計による変態温度測定結果から熱処理温度350℃、熱処理時間3.5時間に決定した。カテーテル内に挿入し、目標部位で形状回復した後のガイドワイヤー切り離し機構を開発した。形状回復用カテーテルはバイポーラ高周波電源により、カテーテル先端に取り付けた2個の白金電極に通電し、電極と血液の接触抵抗を利用して発熱させる方式とした。以上開発した構成によって、生体疑似モデル実験から生理食塩水中の各構成部品の可視化を行い、カテーテルの最適形状、コイル状補修材の形状、最適電圧、通電時間、送り出し速度を決定した。また形状回復温度制御装置は生体内許容電流を考慮した安全対策を施した。2.脳動脈瘤治療に付随する血管損傷に対する補修カバーの開発 脳動脈瘤切除や術中の血管損傷に対する従来の止血方法に代わって、加熱することにより止血剤を容易に固定する補修カバーを開発した。補修カバーは形状記憶合金ワイヤーと手術用ナイロン縫合糸により、ガ-ゼ状に平織りしたものを開発した。血管装着用アプリケータは、止血鉗子型と動脈瘤クリップ型にヒ-タを取り付けたものを開発した。形状回復温度はハイパーサーミヤの条件から55℃、30秒とし、犬による動物実験を実施し、切開した頚動脈の止血がほとんどなく臨床に十分対応できることを確認した。
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