研究課題/領域番号 |
03306015
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
渡邊 寛治 国立教育研究所, 教科教育研究部, 室長 (60096675)
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研究分担者 |
水野 満 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (80063478)
伊藤 克敏 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (60201323)
羽鳥 博愛 聖徳大学, 人文学部, 教授 (10014672)
鈴木 博 東京大学, 教養学部, 教授 (20009012)
井上 星兒 国立教育研究所, 企画調整部, 企画調整官 (70223253)
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キーワード | オーラル・コミュニケーション / コミュニケーション能力 / コミュニケーション能力養成 / 授業分析 / 言語活動 |
研究概要 |
本研究の主目的である「中・高校生の英語のオーラル・コミュニケーション能力の習得状況に関する実態調査」については、次の通りである。(1)リスニング調査を小・中・高校(総被験者数、約2000人)にて実施。その結果、コミュニケーション能力の一構成要素である言語能力(文法、語い力)の測定については、予側通り70%以上の満足な結果であった。しかし、英語のコミュニケーションにおいて最も重要視しなければならない「談話能力」の測定については、予想通り50%以下の結果であった。(2)コミュニケーション重視のスピーキングに関する調査は、ビデオに収録した授業を分析することによって行われた。そこでは、「コミュニケーションの成立とは何か」、「その成立は、一体何をもってそう言うのか」など、コミュニケーションの本質を見極めながら本研究が目指すコミュニケーション能力の養成に関する教育内容と方法のあり方を追求した。授業分析の結果、生徒の言語活動を重視した授業にもかかわらず、教師の発話量が生徒のそれよりも多過ぎる傾向があることが判明した。また、質的分析においては、真のコミュニケーションの成立とは言いがたい言語活動の授業形態が見立った。即ち、ドリルの学習段階から抜け出して生徒自身の新情報を話し相手に「論理的に伝える」というコミュニケーション形態があまり、見られなかった。 日本人英語学習者がコミュニケーション能力を養成する上で阻害要因となり得るものは、母国語と習得国標言語との構造上の相違点だけでない。そこで、学習の動機付けを初めとする学習者の心理や学習環境問題等の調査を平成5年度初めに実施する予定。(3)小・中・高校の一貫教育を重視する観点から、小学校における英語を含めた音声言語教育に関する実態調査も行ってきている。主に、児童へのリスニングテスト、アンケート調査、授業分析等を実施、分析中である。
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