研究課題/領域番号 |
03306023
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
佐藤 郡衛 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 助教授 (20205909)
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研究分担者 |
服部 孝彦 大妻女子大学, 短期大学部, 助教授 (40208541)
佐藤 弘毅 目白学園女子短期大学, 教授 (80132124)
中西 晃 目白学園女子短期大学, 教授 (00134776)
斎藤 耕二 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70014686)
江淵 一公 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (60036845)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 帰国子女教育 / 適応教育 / 学習スタイル |
研究概要 |
一般生徒と帰国生徒とを対象とした調査、帰国生徒のみを対象とした調査、そして教師調査の3種類の調査を実施した。一般生徒との比較を通して、帰国生徒の学習上の特性をまず明らかにした。帰国生徒の学習上の特性として、ともに学ぼうとする態度がみられる点、自分で探究したり、工夫したりして自分なりに何かを発見したり、創り出したりするという学習スタイルをとり、しかも自己学習力が顕著であるという点に求められる。こうした帰国子女の学習特性を伸長させるには、帰国子女教育における学習のとらえ方を再考する必要がでてくる。これまでの学習観は、学力面の弱点を補う「補償モデル」や欠落した内容などを埋める「治療モデル」であった。こうした学習観は、一定の知識や一定の規範を前提に議論していた。しかし、帰国生徒に特有にみられる問題解決学習や探究学習などの学習スタイルを生かすには、これまでの一定の知識の習得を前提にした学習モデルだけでは対応できない。特性伸長教育とは、帰国生徒の積極的な学習意欲をいかに保持するか、学習スタイルに適合した授業をいかに工夫するか、そして主体的な学習態度をいかに支えていくかにつきる。この点が本研究で明らかになったことである。 帰国生徒自身を対象とした調査でも、自主的学習態度や学習の結果よりも学習の過程を重視してほしいという要望が強い。問題解決学習や探究学習の学習スタイルには、自主的な学習態度が前提となるし、学習の過程を重視していく必要がある。また、こうした帰国生徒に特有の学習スタイルには、新しい学力観に通ずるものがある。帰国生徒の学習スタイルを日常の授業で取り入れていくことが、一般生徒にとっては、新たな学力観の形成にもつながっていく。このためにも、授業の内容・方法の改善や評価基準の改善が必要不可欠である。
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