研究概要 |
衛星を利用して宇宙から観測されるデ-タを用いて,グロ-バルな地球環境の種々の変動を学術的な見地から解明し,地球を一つのシステムとして捉え,観測及び解析を続けながら,地球システムのモデル化及び予測システムを構築することが必要であるとの見地から,重点領域研究としての研究を推進するための組織と研究計画を検討した。衛星観測デ-タの地球システム科学への有効利用は,大学における十分な基礎研究に基いて初めて可能となる。更に,地球をシステムとして捉え,学術的に解明することは,先端科学技術国として我国に期待されている学術的貢献を果たすことができ,大きな効果が期待される。検討会は,7月20日(土),10月21日(月),11月29日(金),12月12日(木),12月25日(水),1月18日(土)に開いた。研究項目の提案,研究項目の概略の検討,提出された具体案の検討を行った。より良い案を作るために,忌憚のない意見の交換を行い,再検討された案が提出されると全員に通知し,意見を求めるという過程を繰返し,意志の疎通を計った。又,申請書を纏めるぎりぎり迄,頻繁に意見を交換した。方向としては,グロ-バルな地球システム科学という視点を重視し,大気・海洋・陸域・生物圏に跨がるテ-マであって,平成5年以降にデ-タが得られ,早急に研究に着目する必要があるマイクロ波センサ及び海色センサを利用する研究項目を選定し,それに適任の研究代表者を選定した。選定した研究項目は,A「衛星による生物圏の生態気候的変動の解明」,B衛星による全海洋基礎生産量の評価」,C「東アジア・北西太平洋域の水循環の変動と大気・海洋・陸面相互作用」,D「衛星デ-タを用いたアジアモンス-ンと熱帯海洋循環系の変動に関する研究」,E「衛星による雪氷圏の変動と大気の相互作用に関する研究」,F「衛星観測による日本海を中心とした大気・陸域・海洋相互作用に関する研究」である。
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