研究分担者 |
小林 達明 千葉大学, 園芸学部, 助手 (40178322)
黒田 俊郎 岡山大学, 農学部, 助教授 (10032301)
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
伊藤 信孝 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30024574)
|
研究概要 |
本研究は,乾燥地農業地帯で現在においても使用されている各種在来耕うん用農機具を対象として,風土,土着農法,機具製造技術レベルなどの影響因子が,畜力依存形農法に与えるインパクトと在来農機具に具現化している設計規制因子のよってきたる誘因につき,学際的検討を行うことを目的とした。判明した知見を列挙すれば,次のようである。 1.乾燥地で広く普及しているア-ドプラウの耕深は7cm程度であり,れき土の反転効果は少ない。はつ土板曲面形状はねん転形の流れを汲む仕様であり,運土埋草効果は小さい。曲面形状を円筒形との中間形式に改良すれば,れき土破砕効果の改善が計れると推察される。この点については,エンジニアリング・ワ-クステ-ションを用いて,対話形式でC言語により設計規範の構築を試みている。ソ-ルア-ド,三角形ア-ド,四辺形ア-ドの機能上の特徴についても洗い直しを行い,わが国の在来すきとの比較を行った。 2.畜力耕のグラフィック・シミュレ-ションを実行するプログラムの作成を試みた。作業中役畜の前肢は,位置エネルギ-を貯えて間接的にけん引し,推進は主として後肢が分担している。歩期と重心線射影図,ちょ立時の支持面,役畜の重心位置とけん引出力,プラウのけん引方法と作業効率の関係などを関与パラメ-タとして,役畜と作業機が一体となった作業シミュレ-ションをCRT上に再現するプログラムを開発している。 3.土壌侵食を始めとする過剰耕うんを起因とした土壌資源荒廃の軽減策として,改良形二段耕の有用性を指摘した。地表物の下層へのすき込みと,心土部の硬い土層を地表に移動する方式であり,耕起される土量も少ないことから,は種床造成の改良にとって有効な現実的方策であると考えられる。
|