研究課題/領域番号 |
03354020
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
近藤 元治 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80079813)
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研究分担者 |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90158410)
平松 緑 山形県テクノポリス(財), 主幹研究員 (70124790)
森 昭胤 岡山大学, 医学部・附属脳代謝研究施設, 教授 (20028434)
二木 鋭雄 東京大学, 先端科学技術研究センタ, 教授 (20011033)
平井 俊策 群馬大学, 医学部, 教授 (50010153)
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キーワード | フリ-ラジカル / 活性酸素 / 老化 / SOD / 和漢薬 / 神経細胞障害 / ESR法 / 消化器疾患 |
研究概要 |
本研究課題に関する実績の概要は、平成3年10月12日京都国際会館において「老化と活性酸素・フリ-ラジカルに関する総合的研究」と題して公開シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、学際的研究の展開について討議を行い、老化のメカニズムにおける活性酸素・フリ-ラジカルの関与の解明とその制御による老化防止に関する研究分野の方向づけをした。その方法論として、フリ-ラジカルを直接的に測定できるESR法の応用が必須であり、分担研究者である平松、内海らにより、ESR法による生体内ラジカルの測定にあたっての基礎的なデ-タが本年度において集積されつつある。また、老化の機序におけるフリ-ラジカルの関与については、神経細胞障害におけるフリ-ラジカルの関与や老化に伴う消化器疾患へのフリ-ラジカルの関与について、実験動物モデルにおいて明らかにした。特に、消化器疾患におけるフリ-ラジカルの関与については多くの業績をあげており、フリ-ラジカルによって胃粘膜障害が引き起こされること、それらがフリ-ラジカル消去剤により抑制されること、ヒト消化性潰瘍においてもフリ-ラジカルの関与が示唆されることなどを解明した。老化の防止という観点から、フリ-ラジカル消去剤の有効性が示唆されるが、特にス-パ-オキシドの消去剤であるSODの分子レベルでの研究も本年度より開始できつつあり、和漢薬のフリ-ラジカル消去作用の検討も含めて、ひいては老化防止につながるものと考える。なお、本年度の業績は上記シンポジウムに限らず、第5回国際酸素ラジカル会議、過酸化脂質・フリ-ラジカル会議などにおいても、分担研究者を中心に数多く発表された。 本分野の研究は開始されたばかりであり、今後、本研究グル-プを中心に、分子レベルでの検討、細胞・組織レベルでの検討、個体レベルでの検討へとそれぞれ展開していく予定である。
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