研究分担者 |
高久 史磨 国立病院, 医療センター, 院長 (40048955)
今堀 和友 三菱化成, 生命科学研究所, 所長 (40012174)
辻 省次 新潟大学, 脳研究所・神経内科, 教授 (70150612)
立石 潤 九州大学, 医学部・神経病理, 教授 (70033305)
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所・神経化学, 教授 (60208519)
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研究概要 |
公衆衛生の向上,医学・医療の発展,普及により平均寿命は伸長し、出生率の低下と相まって人口構成の高令化を招いた。我が国の人口の高令化は先進諸国の中でも群を抜いて,速いスピ-ドで進んでおり、早急な対応が必要となっている。 本研究は、老年期に生じる痴呆性疾患の中から、とくに現在まだ病図の解明されていないアルツハイマ-型老年痴呆(アルツハイマ-病)を中心課題としてとりあげ、その発症機構を以下の3点の主要研究項目のもとに解明することを目的とする。すなわち、研究項目としては(1)脳老化と神経栄養因子,(2)アルツハイマ-病脳内蓄積物質の形成秩序,(3)アルツハイマ-病の分子遺伝学的研究がある。(1)においては,神経成長因子(NGF)に代表される各種神経栄養因子のアルツハイマ-病脳における病態上の役割を解明する。またアルツハイマ-病脳内でダウンレギュレ-ションされていると考えられる神経成長抑制因子の役割も細胞生物学的手法を用いて研究する。(2)においては、アルツハイマ-病脳における主要な病理学的変化である老人斑や神経原線維変化を構成するβ蛋白やタウ蛋白の蓄積秩序の解明を行なう。(3)においては,β蛋白やタウ蛋白,さらには神経成長抑制因子などのアルツハイマ-病関連蛋白の遺伝子レベでの解析を進めるとともに,最近我が国においてもその存在が確認されたアミロイド前駆体遺伝子に点突然変異を有する家族性アルツハイマ-病のスクリ-ニングを進めるとともに,他の家族性アルツハイマ-病原因遺伝子の特定を行なう。 本研究は,以上の研究目的に添った文部省重点領域研究「老年痴呆の分子機構」の研究計画,準備を行なった。
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