研究分担者 |
西田 泰民 (財)古代学協会, 古代学研究所, 助手 (80172667)
坂井 聰 (財)古代学協会, 古代学研究所, 講師 (20215586)
辻村 純代 (財)古代学協会, 古代学研究所, 講師 (60183480)
川西 宏幸 (財)古代学協会, 古代学研究所, 教授 (70132800)
浅香 正 同志社大学文学部, 教授, 教授 (70066059)
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研究概要 |
本年度は過去4年にわたって断続して来た本研究の最終年度であるので,各研究分担者がそれぞれの分担項目の研究を深化・整理すると同時に,4年間の研究全体の総括を行った。その内容は以下の通りである。 (1) 研究代表者角田は,比較史的観点より都市の形成期の諸問題を取り扱い,出現期の都市に見られる都市計画の発展の類型化を試みた。その中に,ポンペイの都市計画に見られる特徴を位置付けた。 (2) 分担者浅香は,ポンペイ郊外のウィラに関し,これまで作成された平面図のすべてを収集し,その類型に関する考察を行った。また発見されている施設や道具の分析によりウィラの用途を特定し,その歴史的発展に関する考察を行った。 (3) 分担者川西および辻村は,過去4年間の研究の総括を行い,ポンペイ市街地における交通体系や壁体構造の発展に関して種々の結論を導いた。 (4) 分担者坂井は,ポンペイの公共建造物の建設年代の研究を行い,その発展を3時期に分けそれぞれの時代の歴史的背景に関する考察を行った。 (5) 分担者西田は,ポンペイの特定の街区の市街化に関する研究を進め,この地区がいわゆる『旧市街』であるとする通説に疑念を提示した。 また,平成6年にナポリ大学教授アッティリオ・スタツィオ博士が来日したおりに『出土貨幣から見たポンペイの経済生活』という演題で公開講演会を依頼し,関連の研究者に参加を呼びかけ,ポンペイ研究の現状に関して討議する機会を持った。 以上,4年間にわたる研究成果を報告書にまとめ,平成7年4月に刊行する予定である。
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