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1993 年度 実績報告書

フラクタル磁性体の相転移とダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 03402009
研究機関高エネルギー物理学研究所

研究代表者

池田 宏信  高エネルギー物理学研究所, ブースター利用施設, 教授 (90013523)

研究分担者 新井 正敏  神戸大学, 理学部, 助教授 (30175955)
古坂 道弘  高エネルギー物理学研究所, ブースター利用施設, 助教授 (60156966)
池田 進  高エネルギー物理学研究所, ブースター利用施設, 助教授 (80132679)
キーワードパーコレーション / フラクタル / フラクトン / フラクタル次元 / 中性子散乱 / 異常拡散 / 希釈磁性体
研究概要

パーコレーション濃度近傍における磁性スピンの結合形態はフラクタル構造の典型例である。フラクタル構造に特徴的な新しい物性を探索することを目的として、そのスピン相関の研究を中性子散乱法を用いて実施した。研究成果は、以下のとおりである。
(1)パーコレーション濃度近傍における磁性スピンの結合形態であるフラクタル構造を特徴づけるフラクタル次元を求める為に、磁気ブラッグ点の形状を高分解能パルス中性子散乱によって詳細に決定するという新しい視点で実験を実施した。通常の磁気的長距離秩序を形成した系からのデルタ関数型の散乱は消失し、q^<-D>(Dはフラクタル次元)の散乱に移行するとの予測のもとに、3次元希釈ハイゼンベルグ型反強磁性体RbMn_<0.34>Mg_<0.66>F_3を用いた実験を実施した。この実験によってはじめてフラクタル次元(2.48)が決定された。
(2)パーコレーション磁性体に特有の新しい励起であるフラクトンの観測を、3次元ハイゼンベルグ反強磁性体RbMn_<0.39>Mg_<0.61>F_3を対象にして行った。全ブリルアン帯に広がった過減衰したエネルギースペクトルがはじめて検出され、また、その定量的解析によってフラクトン励起の実体が明らかにされた。
(3)3次元パーコレーション磁性体RbMn_<0.31>Mg_<0.69>F_3の高エネルギー分解能実験によって、臨界スピン緩和スペクトルのエネルギー依存性に異常が検出された。これは、フラクタル格子上を伝播する粒子の拡散が、周期格子上の拡散に比べて遅くまた異なる拡散法則が成り立つ(異常拡散現象)ことを実験的に明かにしたものと解釈される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高橋,美和子: "Crossover from propagating spin waves to localized lsing-cruster excitations in diluted Heisenberg antiferromagnets" Phys.Rev.B. 47. 9132-9135 (1993)

  • [文献書誌] 太田,仁: "Electron paramagnetic resonance of CsCo_xMg_<1-x>Cl_3 and the determination of exchange interactions" J.Phys.Soc.Jpn.62. 2481-2489 (1993)

  • [文献書誌] 池田,宏信: "Self-simillarity of magnetic order in two-dimensional percolating antiferromagnets" J.Phys.Soc.Jpn.62. 3832-3836 (1993)

  • [文献書誌] 小嶋,健二: "Spin dynamics in a site diluted finite spin clustervsystem probed by positive muons" Hyperfine Interactions. 78. 429-433 (1993)

  • [文献書誌] 矢崎,昭: "Neutron paramagnetic scattering from antiferromagnetic RbMnF_3 and Mn_3Pt using time of flight technique" J.Phys.Soc.Jpn.63 (印刷中). (1994)

  • [文献書誌] 岩佐,和晃: "Pressure-induced magnetic structure in layered antiferromagnets Rb_2MnF_4 and Cs_2MnF_421GC06:J.Phys.Soc.Jpn." 63(印刷中). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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