研究課題/領域番号 |
03402014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 寅夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027222)
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研究分担者 |
中村 佳重郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (20135510)
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40165197)
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キーワード | GPS / 水蒸気ラジオメータ / リモートセンシング / マイクロ波伝播遅延 / 相対測位精度 / ラジオゾンデ |
研究概要 |
平成3年度購入した水蒸気ラジオメータと、GPS受信機MINI-MAC2816による平行観測を宇治、信楽、潮岬において実施した。また、平成3年11月の「GPS JAPAN'92」に際して、沖縄および南大東島において、約1週間の水蒸気ラジオメータとGPSの平行観測を行なった。信楽、潮岬、沖縄および南大東島の観測については、気象庁および京都大学超高層電波研究センターからラジオゾンデのデータの提供を受け、ラジオメータの測定輝度温度からマイクロ波遅延を求めるためのアルゴリズムについての研究を進めた。その結果には潮岬および宇治における変換係数に場所的な差異のほかに、季節変化が認められる。ただし、これについては誤差が大きいため、確定的な結論とするにはさらに観測の継続が必要である。南西諸島における観測においては、高大東島に設置したGPS受信機の不調のため、測位データが解析不能であった。したがって、南西諸島地域におけるGPS測位に対する水蒸気遅延誤差の解析はできなかった。宇治と潮岬間における相対測位と水蒸気による遅延誤差との関係についてはいくつかの解析を行い、現段階では水蒸気ラジオメータによる観測結果を相対測位に適用しても、必ずしも測位精度の大幅な改善につながらないとの結果を得た。ただし、これは、現在のフジオメータ観測は天頂方向のみであることのほかに、MINI-MAC2816ではPコードを使用しないためS/Nが低く測位精度が悪いこと、データ編集が充分に行えていないこと、などの理由でその測位精度が水蒸気による電波伝播誤差が関係する精度にまで達していないこと、を考慮すべきである。今後はGPSの良好な観測データの取得を図る必要を生じてきている。そのほか、方位制御装置の組み立てとテスト運用を実施したが、実観測においてこの制御装置を活用し、衛星の視線方向のデータを取得して行かなければならない。
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