研究課題/領域番号 |
03402020
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
島 敞史 山口大学, 工学部, 教授 (70035038)
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研究分担者 |
池田 攻 山口大学, 工学部, 助教授 (00035057)
溝田 忠人 山口大学, 工学部, 教授 (10018666)
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キーワード | 硫化鉱物 / 含銀硫塩鉱物 / 熱水合成 / 相平衡 / 固溶体 |
研究概要 |
交付申請書に記した研究計画にしたがって今年度は以下の三つの系について実験を行った。 1.Fe-Mn-Zn-S系: 昨年迄に主として400℃一部300℃で熱水合成実験を行ない、400℃における相平衡関係はほぼ明らかになった。今年度は300℃における実験を中心に行なった。300℃の低温ではこの系における熱水合成実験、特に平衡状態を保つことはかなり困難であったがsphalerite(ZnS)、alab-andite(MnS)、pyrrhotite(FeS)の固溶領域をほぼ明らかにし、また従来高温型であるとされていたwurtzite(ZnS)は多量のMnを固溶することにより300℃の低温においてもなお安定に存在することが明らかとなり300℃における相関係の概略が求められた。 2.Ag-Pb-Bi-S系: 多くの含銀硫塩鉱物が含まれているこの系において熱水合成実験で合成に成功した鉱物結晶はgalena-matildite ss、heyrovskite、benjaminite、pavonite、cannizzarite、galenobismutite bismuthinite、argentiteの9種類である。これらの多くはAg^++Bi^<3+>【double arrow】Pb^<2+>の置換による固溶体を形成するがそれぞれの鉱物の固溶領域を求め400℃における熱水条件下の相平衡関係をほぼ明らかにした。また300℃の低温においてもgalena-matildite ssはまだ完全固溶体を形成することが確かめられ、天然の鉱石はより低温で離溶していることが明らかとなった。 3.Fe-Ni-S系: 500℃以上の高温においては詳細な相平衡関係が明らかとなっているこの系について400℃での熱水合成を行ないpyrite、vaesite、violarite、polydimite、millerite、godlevskite、he-azlewoodite、M-solid solutionの8種の鉱物結晶が合成された。またその共生関係及び固溶領域を確かめることにより400℃における相関係を明らかにした。
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