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1993 年度 実績報告書

三重結晶の変形,破壊挙動に基づいた粒界設計に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03402045
研究機関京都大学

研究代表者

三浦 精  京都大学, 工学部, 教授 (00066169)

研究分担者 加藤 博之  京都大学, 工学部, 助手 (80224533)
尾中 晋  京都大学, 工学部, 助手 (40194576)
橋本 敏  京都大学, 工学部, 助教授 (50127122)
キーワード二相ステンレス鋼 / 異相界面 / 界面すべり / 双結晶 / 粒界疲労
研究概要

1.FeCrNi合金異相双結晶の変形に及ぼす相界面の影響
二相ステンレス鋼に含まれる異相界面が変形に及ぼす影響について調べた。α相(Fe-15Cr-15Ni)とγ相(Fe-30Cr)の単結晶を育成し,それらを拡散接合することによって異相双結晶を作製した.この異相双結晶の引張試験を室温で行い,すべり線の観察を行った.α相とγ相のあいだの方位関係によって相界面が塑性変形に及ぼす影響は変化し,ひずみの適合性が悪い方位関係の場合,γ相の結晶粒は多結晶に類似した変形挙動を示した.
2.FeCrNi合金異相双結晶の高温における超塑性界面すべり
異相界面が高温変形時に果たす役割を明らかにするため,FeCrNi合金異相双結晶のクリープ変形を行って界面で起こるすべりの機構を議論した.異相界面におけるすべり速度は各相の結晶粒界でのすべり速度に比較して10^2〜10^3倍も大きく,二相ステンレス鋼における高温での大きな延性の原因であることがわかった.界面すべり速度は作用するせん断応力の2乗に比例し,その機構は転位の上昇運動によって律速されるα相の界面近傍での容易な粘性流動によって説明することができた.
3.金属と合金の単・双結晶における疲労き裂の発生と伝播
金属疲労に及ぼす結晶粒界の影響を単・双結晶による実験によって調べた.α-CuAlの場合,疲労き裂は結晶粒界に優先的に発生し,その伝播速度は粒内における場合に比較して10^2倍程度速いものであった.また,結晶粒界の構造の違いはそこでのき裂伝播速度を変化させ,エネルギーの高い粒界で疲労破壊はより促進されることがわかった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Wada: "Plastic deformation of two-phase(γ/α)stainless steel bicrystals" Proc.of IUMRS-ICAM-93. (印刷中). (1993)

  • [文献書誌] J.Rys: "Deformation behaviour of stainless steel(α/γ)two-phase bicrystals" Archives of metallurgy. 38. 255-275 (1993)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Grain-boundary triple junction fold in FCC metals and alloys" Proc.of JIMIS-7. 1. 131-138 (1993)

  • [文献書誌] S.Hashimoto: "Role of interphase-boundary sliding in a superplastic flow of duplex materials" Proc.of JIMIS-7. 1. 115-122 (1993)

  • [文献書誌] 橋本敏: "Compact-Tension 双結晶試験片における粒界疲労亀裂の挙動" 日本金属学会誌. 57. 972-973 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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