研究課題/領域番号 |
03402047
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西口 公之 大阪大学, 工学部, 教授 (50028940)
|
研究分担者 |
高橋 康夫 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (80144434)
松山 欽一 大阪大学, 工学部, 助手 (80029305)
|
キーワード | 複合材料 / ウォータジェット加工 / 表面蒸着 / 低温固相接合 / 熱変質 |
研究概要 |
本研究は、セラミックスと金属の接合体を熱歪と熱変質無しに加工・接合し、高機能な複合構造体を信頼性をもって作成するための加工接合プロセスの確立とそのシステム化を目的としたものである。熱の影響をほとんど起こさない切断加工方法として高圧水で切断を行うウォータジェット切断方法を採用し、熱による材質変化の少ない接合方法として低温固相接合を選んで研究を進めている。 この研究の第2年目となる平成4年度は、前者のウォータジェット切断方法に対しては切断機構のモデル化を進めるための基礎情報として不可欠な切断力の測定を行い、切断機構の解明と現象のモデル化を進めた。後者の低温固相接合方法に対しては、現有の高温拡散接合装置を用いてアルミナとチタンを例に接合実験を行い、接合界面の形成過程の観察と接合の必要条件の検討を進めた。 結果として、アブレシブウォータジェット切断に対しては、切断前面に働く時間平均力が切断速度を変えても切断限界板厚毎にみる限りほぼ変わらないこと、この切断力は板上部の領域Iとこれに続く下部の領域IIとで動的な時間変化状況に差があり、領域Iは多数の砥粒によってマイクロ切削される領域としてモデル化できること、領域IIはマクロ的にみた棚の移動によって切削される領域としてモデル化できることを明らかにした。低温固相接合に対しては、アルミナ表面に金属チタンを蒸着し接合前にセラミックスの表面を金属化させる接合過程をオージェ電子分光解析を利用して検討し、セラミックスと金属の遷移界面での化学結合達成のためには厚さ160nm以上のチタン蒸着膜があれば十分であること、金属化したアルミナとチタンとは接合加圧力を上げ粘塑性変形の機構を利用すると短時間により高強度な接合が実現されることを明らかにした。
|