研究課題/領域番号 |
03402052
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
橋爪 弘雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (10011123)
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研究分担者 |
坂田 修身 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (40215629)
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キーワード | CaSrF_2エピタキシャル結晶 / 界面F原子面の脱離 / 界面(Ca、Sr)原子の位置 / GaAs(111)Tサイト / 格子定数のミスマッチ / 基板結晶の格子緩和 |
研究概要 |
分子線エピタキシ-法によりガリウムひ素(111)基板に成長させたCaSrF_2薄膜のヘテロエピタキシャル界面をX線回折法で調ベた。CaF_2とSrF_2の同時蒸着によって作られた膜の格子定数は、基板のそれとほぼ一致している。まず、フッ化物薄膜結晶が含む原子面の枚数をX線フレネル反射曲線を測定して決定し、この情報を用いて、軟X線シンクロトロン放射を用いて収集した定在波デ-タを解析した。その結果、フッ化物の(111)面間隔はバルクGaAsのそれより0.7%大きい、界面の(Ca、Sr)原子しは基板最上層のAsーGa二重層の中央から2.4A^^°の距離にある、(111)面内の位置としてはTサイトとT4サイトの間である、膜結晶の原子位置に乱れは少ないことが分った。さらに詳細は情報を得るため、シンクロトロン放射を用いて111、220、331ブラッグ点の近傍のX線散漫散乱を測定し、デ-タを解析した。その結果、(Ca、Sr)原子は界面のTサイトを占有する、エピタキシヤル第1層はF面ではなく(Ca、Sr)面である、基板GaAs結晶は格子緩和を起こし界面附近の原子面が膜側へ僅かに変位している、基板最上層のAs原子はかなりの割合で脱離しいてる可能性が高い、との知見が得られた。界面およびフッ化物膜の表面は高度に平滑であり、r.m.s.ラフネスは数A^^°である。331反射デ-タはT4サイトを占める(Ca、Sr)原子がほとんど存在しないことを示しており、X線定在波実験の結果と異なっいる。しかし、膜と基板の格子定数、界面距離に関しては両実験の結果は良く一致している。
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