研究概要 |
ラジカルカチオンコーピ転位反応機構確立の目的でパルスラジオリシス,光音響測熱法,走差示差熱分析等の手法を用いエネルギー曲面の研究を行いラジカルカチオン環化・ビラジカル開環反応に関する実験的知見を得た。またこの反応が気相においても起る事を詳細な質量分析法から確めた。置換基の伝置の重要性を確め場合によってはコープ転位よりもビシクロ〔2.1.1〕ヘキサン系へ環化する事も判明した。関連するビシクロ〔2.2.0〕ヘキサンの光誘起電子移動反応では1,5-ヘキサジエンへの開環反応が溶媒の極性,増感剤の種類に依存し協秦反応と段階的反応が尭爭する極めて興味あるカチオンラジカルの反応挙動を明らかにした。 ベンゾミクロブテンカチオンラジカルの開環反応ではシクロブテン環の置検基効果を検討した。酸素の不対電子は開環の立体化学の選択性に極めて重要である事を見出した。生ずるオルトキノジメタンの反応性をレーザーフラッシュ法で検討し興味ある反応挙動を明らかにした。また立体的に規制された三環性ベンゾミクロブテンは熱反応ではキノジメタンへの開環は起らないが電子移動では容易に起る事を手出している。 昨年度レーザーフラッシュ法で検出に成功したフラン縮環テトラメチレンエタン誘導体はレーザーフラッシュ法による速度論的研究より一重頃ビラジカルである事を確めた。 環状過酸化物とテトラシアノエチレンとの電荷移動錯体の光励起反応では置検基効果の検討から過酸化物の炭素-酸素純合解裂反応は協秦的逆Diels-Alder型酵素脱離と段階的結合解裂の2つの機構が普遍的に進行する事を確めた。
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