研究課題/領域番号 |
03403010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村江 達士 九州大学, 理学部, 教授 (50011747)
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研究分担者 |
佐野 弘好 九州大学, 理学部, 助手 (80136423)
稲津 孝彦 九州大学, 理学部, 教授 (60037207)
青木 義和 九州大学, 理学部, 教授 (00037277)
岡田 博有 九州大学, 理学部, 教授 (60037182)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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キーワード | ケロ-ジェン / 石灰 / レジナイト / 続成 / 高有機質石灰岩 / 輝炭反射率 / 有機変成度 / 顕微FT-IR |
研究概要 |
本研究の目的は、地球で進化・繁栄した古生物に由来する有機物が、堆積岩中に保存されて残した地球科学的情報を読みとることにある。この目的達成のため、従来の石炭や夾炭堆積物の肉眠観察他、一般堆積物中の分散型石炭化植物片を対象に、蛍光分光装置付き万能顕微鏡による堆積有機物の微細構造の観察と蛍光特性解析を加え、最新型フーリエ変換顕微赤外分光分析装置による非破壊有機化学特性の調査を行った。さらに有機化学的な手法の熱分解ガスクロマトグラムで超顕微鏡的微細情報を加え、かつ両分析結果を組み合わせて、地球有機物の特性判定と変化の読みとりを行った。 その結果、古植物樹脂由来のマセラルであるレジナイトをFT-IRや熱分解GC-MSで検討すると、堆積層の熱履歴に関して、従来より精密な情報が得られることを明らかにした。一方、従来から堆積物の熱履歴の判定に用いられてきた古植物材由来のマセラルであるビトリナイトの輝炭反射率で得られた情報に、新たに熱分解GC-MSで得られた情報を加味することにより、日本島弧形成の原動力となったプレートの付加による帯状配列の熱履歴に関して、部分的な加熱速度の差も含めた精密な情報を得た。 石油の形成に深くかかわっていると考えられる高有機質石灰岩について、従来から行なわれてきた顕微鏡観察と熱分解GC-MSによる分析を組み合わせることにより、内部の有機物の移動について、より詳細な知見を得た。 炭素質コンドライトによって地球に持つ込まれた地球外有機物の主体をなしている化合物が、地球有機物の主体をなしているケロ-ジェンのうちの特定の続成段階にあるものと非常によく類似していることを顕微FT-IRを用いて明らかにした。
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