研究分担者 |
横山 一己 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (40126628)
千葉 とき子 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (20000127)
松原 聰 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (40000137)
斎藤 靖二 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (00000133)
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研究概要 |
エネルギ-分散型X線分析装置は、9月末に予定通り納入され,電子顕微鏡と分析装置の調整は順調に終了した。現在,標準試料を使い元素を分析できる状態にあるのは,金属元素が31種類,非金属元素は16種類,ランタニド元素は14種類である。ウランとトリウムは今後分析できる状態にする予定であるが,現在分析できる元素で,ほゞすべての鉱物の定量分析が一部軽元素を主成分とするものを除いて可能な状態にある。 現在研究の進展状況はほゞ実施計画通り進んでおり,試料収集に関しては,御荷鉾帶の超塩基性岩を除く目的地の調査を完了した。収集試料の約1/2について,透過・反射顕微鏡用試料の作成を終え,共生関係などの調査に入っている。 こゝまでの成果として,石膏鉱床中の天青石(硫酸ストロンチウム)は,含ストロンチウム硬石膏の加水分解によって生成することを明らかにした。また,熱水交代起源の蝋制鉱床中のズニ石が稀土類の燐酸塩のフロレンス石を包有していることも確認した。御斎所変成帶中のマンガン鉱床からはアンチモンを主成分とする鉱物を発見した。 砂岩中のレアメタルに関して,四万十帶・秩父帶・美濃帶などでの分布が明らかになって来た。四万十帶などの深海底で堆積した砂岩では,レアメタル鉱物は殆んど分解し,モナズ石とスピネルとが殘留鉱物として存在する。これらを含む砂岩が弱変成作用を受けると,モナズ石はフロレンス石や褐簾石に変化するが,スピネルは安定に存在することが明らかになった。
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