研究課題/領域番号 |
03403012
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 功二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70005859)
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研究分担者 |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50005964)
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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キーワード | アモルファス合金電極 / 電極触媒 / ガス透過性電極 / 燃料電池用電極 / 電解用電極 / X線光電子分光法 / in situ表面キャラクタリゼーション |
研究概要 |
アモルファスニッケル-バルブメタル-白金族合金およびこれに微量の添加元素を加えた合金を用い、エチレン燃料電池用電極および亜鉛の電解彩取の際の消費電力を低減するためのアノード反応として期待される亜硫酸ガス酸化用電極触媒特性について検討した。両電極反応に対して、白金族元素として白金を含むアモルファス合金から作製した合金が最も高い電極活性を示すことが明らかになった。エチレン酸化用電極の活性をさらに向上させるために種々の元素をアモルファスニッケル-バルブメタル-白金合金に少量添加した合金を作製し、その特性を調ベた結果、スズとルテニウム添加が活性向上に特に有効であり、その添加量に最適値があることがわかった。 そこでエチレン酸化の活性を向上させるスズの役割、スズ添加量と表面組成の関係を明らかにするために、X線光電子分光法を用いてin situ表面キャラクタリゼーションを行なった。本補助金により作製したグローブボックスを用い、電解した試料を大気に曝すことなくX線光電子スペクトルを測定することで、電解状態に近い表面の解析を行なうことにより、有用な知見が得られた。まず、スズ添加量に応じて表面組成も大きく変化し、スズと白金の表面における存在比が、エチレン酸化活性を向上させるのに重要であることがわかった。表面のスズは、金属状態の他に、2価と4価の状態のものが存在することがわかった。さらに電解電位とともに高次の酸化状態のものの割合が増え、おそらくスズ0/IIまたはII/IVの酸化還元反応がエチレン酸化反応を加速しているものと思われる。 また、本年度に表面の深さ方向の分析を行なうために、試料からの光電子の取り出し角度が異なる試料ホルダーを作製した、角度分解X線光電子分光法を行えるようにした。この方法により、充分な精度で、表面から10nm以内の深さの組成変化を調べることができるようになった。
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