1.CuO/ZnOヘテロ接触は、接触界面近傍がいわゆる外界に対して"開いた"構造であることから、その接触点を通過する電流が雰囲気のガスにより影響を受け、この現象はガスセンサーに応用できる。純度の高いZnO、CuOを組み合わせて界面を形成した場合、CO選択性は発現しにくいが、添加物の効果でその一酸化炭素検知能は強調される。一酸化炭素に対してとくに高い選択性、認識能をもつ素子のキャラクタリゼーションを通じ、CO検知という機能に対しとくに重要な役割を果たしているのがp型の半導体であるCuOでありその機能はNa等のアルカリ金属の添加により強調されることが明かとなった。 2.銅ペロブスカイト酸化物に着目しそのNOx検知特性をキャリア濃度、Cuの酸化数を中心に検討を行い、界面機能性セラミックスの一方の構成材料(p型物質)としての可能性を追求した。LaCuO_3セラミックスを+5価、+3価のイオンで置換し、伝導キャリア種、キャリア濃度、銅の価数を制御した一連の試料のNOx検知特性からストイキオメトリックなLaCuO_3がNOxの検知のに有効であり、さらにこの素子ではNOとNO_2の認識が可能であることが示された。 3.CuOとZnOの原料粉体を傾斜組成で積層してCuO/ZnOヘテロ接触を構成した素子表面でのCO酸化反応は、素子両端に印加した電圧によりその速度が変化することが確認され、逆バイアス(CuO-、ZnO+)印加でCO酸化反応の速度が10%促進されていることが確認された。この現象はCuO-ZnO界面におけるZnO(n型)の表面抵抗が逆バイアス印加で増加することに対応している現象であると判断され、電界印加によって負電荷吸着した酸素イオンの界面における濃度分布の差異がCO酸化反応速度に影響したものと判断される。
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