• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

球状ウィルスの高分解能X線結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 03403025
研究機関徳島大学

研究代表者

月原 冨武  徳島大学, 工学部, 教授 (00032277)

研究分担者 和田 正徳  鳥取大学, 工学部, 教授 (30029053)
キーワード球状ウイルス / 結晶構造解析 / タバコネクロシスウイルス / イネ萎縮病ウイルス / X線解析
研究概要

タバコネクロシスウイルス(TNV)は、正二十面体対称(T=3)植物のRNAウイルスの代表例で、一本鎖RNAと、それを取り囲む180個のサブユニットタンパクによって構成されている総粒子量700万のウイルスである。TNVは自己のRNAとの相互認識作用の特異性が高いという特徴を持っており、サブユニットタンパクとRNAの相互認識機構を解明する上で格好の試料になっている。
TNVは8Å分解能においてサザンビ-ンモザイクウイルス(SBMV)のサブユニットタンパクの配置と類似していることが明らかにされたので、SBMVの原子座標から計算したFcとTNVのFoとでR値検索を行い分子の最適位置を求め、この位相を初期位相として分子置換法を用いて電子密度の平均化を行い位相の拡張を行った。現在5.02Åまで精密化を進め、総サイクル数91でR値16.1%、相関係数91.9%という値を得ることができた。
5.02Åで得られた電子密度を用いて非対称単位中の3分子についてポリグリシン鎖の初期構造を得ることができた。その結果、SBMVと比較すると部分的な欠損が1分子につき3ケ所確認されたほかには大きく変化している箇所は存在しなかった。TNVの一次構造は、現在解析中であるが総残基数は278であることが分かっており、これはSBMVと比べると18残基分多くなっている。従って、今回得られた構造からTNVのN末端方向へ伸びる電子密度の現れない部分の長さについてSBMVのものと比較すると33残基分長くなっている。イネ萎縮病ウイルス(RDV)は、20Å分解能の解説デ-タを撮影でき、現在回折強度処理を行っているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hitoshi Mizuno,Hiromi Kano,Toshihiro Omura,Mika Koizumi,Masahiko Kondoho,Tomitake Tsukihara: "Crystallization and Preliminary Xーray Study of a DoubleーShelled Spherical Virus,Rice Dwarf Virus" J.Mol.Biol.219. 665-669 (1991)

  • [文献書誌] Tomitake Tsukihara,Yukio Yokota,Takayuki Koyama,Keiichi Fukuyama,Hiroshi Matsubara: "Symmetry and Subunit Arrangement of Tabacco Necrosis Virus(TNV)" Acta Crystallographica. B46. 855-860 (1990)

  • [文献書誌] 福山 恵一,月原 冨武: "ウイルスの立体構造" バイオサイエンスとインダストリ-. 50. 27-32 (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi