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1992 年度 実績報告書

ショウジョウバエにおける多重遺伝子の分子集団遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03404001
研究機関九州大学

研究代表者

山崎 常行  九州大学, 理学部, 教授 (10108649)

研究分担者 高野 敏行  九州大学, 理学部, 助手 (90202150)
原田 光  九州大学, 理学部, 助手 (40150396)
キーワードアミラーゼ / 遺伝的多型 / 分子進化 / 共調進化 / 適応進化
研究概要

今年度はキイロショウジョウバエ自然集団中に多型的に存在する主なアミラーゼアイソザイムを全て(6系統)、またその近縁種6種全ての塩基配列を決定した。その結果、(1)アミラーゼアイソザイム中Amy1が最も古く、Amy2、Amy3……Amy6という順で形成されたということが分かった。また同一アイソザイム中にアミノ酸配列の物が混在していることも明かとなった。(2)ふたつの重複遺伝子は種の分子時計より古いにもかかわらず、遺伝子座間の違いはあまりなく、コーディング領域には強い共調進化が働いていることが分かった。(3)5'、3'のスペーサー領域では種を越えて遺伝子座特異配列が観察され、それぞれの領域は独立に進化していることが明かとなった。(4)種内のアミノ酸置換と種間のアミノ酸置換を比較したところ、種内では同義置換の割合が70%程度であるのに、種間では50%程度であり、種の形成の際あるいはその後の進化ではアミノ酸の変化が重要になることが分かった。特にD.erectaの形成に関する進化では大部分がアミノ酸の変化を伴う置換であり、宿主植物の特異性とともに考えると、これらアミノ酸置換には自然選択が関与していることが強く示される。
ケージ集団を使った選択実験からでは、Amy1-6アイソザイムの5'上流では8塩基欠失が見られたが、Amy1での欠失は見られなかった。このアイソザイムと欠失との間に強い連鎖不平衡があるため、現在のところ、このどちらが選択に関与しているか明かではない。またフットプリンティングや形質転換を使った実験からタンパク結合部位やエンハンサーの位置もかなり明かとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nitasaka,E.,and Yamazaki,T.: "The molecular analysis of brown eye color mutations isolated from geagraphically discrete populations of Drosophila me lanogaster." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (1993)

  • [文献書誌] Harada,K.,Kusakave,S.and Mukai,T.: "Comparative study of P element activity in two natural populations of Drosophila ne lanogaster." Jpn.J.Genet.66. 725-737 (1991)

  • [文献書誌] Harada,K.,Kusakabe,S.and Mukai,T.,Yamazaki,T.: "Spontaneous mutation rates in null and band-morph mutations of enzyme loci in Drsophila melanogaster." Genetics.

  • [文献書誌] Yamaguch,Y.,Harada,K.,Takano,T.S.and Yamazaki,T.: "Molecular analysis of spontaneous Gpdh null mutations in Drosophila melanogaster." Genetics.

  • [文献書誌] Nitasaka,E.and Yamazaki,T.: "The relationship between DNA structural variations and activities of P elements in P and Q strains of Drosophila melanogatser." Genetical Research. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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