• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

緑葉の老化を支配する遺伝子の構造と発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03404002
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 昭  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70023471)

研究分担者 伊藤 正樹  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助手 (10242851)
キーワード老化 / 植物の老化 / cDNAクローニング / 葉緑体 / トランスジェニック植物 / 窒素の転流 / 遺伝子発現 / プロテアソーム
研究概要

暗所においた緑葉からpoly(A)^+RNAを単離し、試験管内で翻訳したタンパク質を単離葉緑体に加えることで葉緑体に輸送されるものを探索したところ、明所で生育した植物から同様に調製された翻訳産物には見られない数種のタンパク質が認められた。この観察は、緑葉を暗所におくことによって新たに葉緑体へ移行するタンパク質をコードする遺伝子が発現することを意味しており、葉緑体の老化に関与する遺伝子の産物を含んでいる可能性が考えられた。そこで、この遺伝子のcDNAをクローニングするための方法を開発することにした。基本的には、T7やSP6のプロモーターを持つベクターを用いてcDNAのライブラリーを作製し、試験管内での発現とその産物の単離葉緑体への輸送を利用するものであるが、モデル実験から、この方法が原理的に有効であることを確認した。
グルタミンの代謝の中枢に位置する細胞質局在性グルタミン合成酵素の三つの遺伝子のうち二つが老化の後期に強く発現することを見いだしていたが、これらの遺伝子の発現の様子をさらに詳しく解析した。また、老化葉の窒素代謝を攪乱したときに植物対全体の窒素配分にどのような影響がでるかを調べる目的で、この遺伝子とアンチセンスRNAを発現するように改変した遺伝子を導入した形質転換タバコを作製し、現在GS1の過剰発現の効果を解析中である。さらに、GS1遺伝子のプロモーター構造を解析するための形質転換植物も得られている。
新たに、プロテアソームのサブユニットの一つのcDNAのクローニングに成功し、老化に際しての細胞質のタンパク質分解にユビキチン経路が関与している可能性を検討することを開始した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Konishi,A.Watanabe: "Transport of proteins into the thylakoid lumen-Stromal processing and energy requirements for the import of the precursor to the 23-kDa protein of PSII" Plant Cell Physiol. 34. 315-319 (1993)

  • [文献書誌] T.Konishi,Y.Maruta,K.Shinohara,A.Watanabe: "Transit peptides of thylakoid luminal proteins:the sites of s omal processing are conserred among higher plants" Plant Cell Physiol. 34. 1081-1087 (1993)

  • [文献書誌] N.Kawakami,A.Watanabe: "Translatable mRNA for chloroplast-targeted proteins of detached rodish cotyledons senescing in the dark" Plant Cell Physiol. 34. 697-704 (1993)

  • [文献書誌] A.Watanabe: "植物はなぜ枯れるのか-その仕組みと意義" 日本の科学と技術. 34. 32-37 (1993)

  • [文献書誌] M.Ito,A.Yasui,A.Komamine: "Precise mapping and molecular characterization of the MFT1 gene involved in import of a fusion protein into mitochondria in saccharomyces cerevisial" FEBS Lett.320. 125-129 (1993)

  • [文献書誌] M.Ito,A.Komamine: "Molecular mechanisms of the cell cycle in synchronous cultures of plant cells" J.Plant Res. 3. 17-28 (1993)

  • [文献書誌] M.W.Smith,M.Ito,T.Yamada,T.Suzuki,A.Komamine: "Isolation and characterization of a cDNA clone for plant nuclear antigen 21D7 associated with cell division" Plant Physiol. 101. 809-817 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi