研究課題/領域番号 |
03404008
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山下 興亜 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023411)
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研究分担者 |
佐藤 行洋 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助手 (60222022)
柳沼 利信 名古屋大学, 農学部, 講師 (60135332)
小林 迪弘 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60111837)
今井 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80109313)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 休眠ホルモン / 食道下神経節 / トレハラーゼ / 卵巣 / 休眠 / カイコ / diapause / Bombyx mori |
研究概要 |
休眠ホルモンの単離と構造決定: 予備実験の結果をもとに、カイコ蛹10万頭から食道下神経節を解剖摘出し、休眠ホルモン抽出材料とした。ホルモンを熱水で抽出し、RP-HPLCおよびFPLCで分離した。単離した標品および部分分解物のアミノ酸配列を化学的に分析し、休眠ホルモンは24個のアミノ酸からなるペプチドアミドであると結論した。このペプチドを化学合成することによって構造を確かめた。また各種類縁体を化学的に合成し、その生物活性を比較し、生物活性はC末端の6個のアミノ酸からなるペプチドによって基本的に発現されることを解明した。 休眠ホルモン遺伝子の構造と発現: 食道下神経節RNAから作成したcDNAライブラリーから休眠ホルモンcDNAをクローン化した。構造解析の結果、本cDNAは休眠ホルモン以外にPBANならびに3種のFXPRL-アミドペプチドをコードしていることが判明した。休眠ホルモン遺伝子は5個のイントロンによって分断された6個のエクソンで構成されていた。本遺伝子は食道下神経節中の12個の神経分泌細胞のみで発現していること、さらに幼虫期や胚期にも発現していることが判明した。 休眠ホルモンの作用機構: 休眠ホルモンが卵巣のトレハラーゼ活性を高めることはすでに知られていた。卵巣トレハラーゼのcDNAをクローン化し、構造を明らかにした。休眠ホルモンを注射したり、卵巣培養液中に添加し、卵巣細胞内でのトレハラーゼmRNA量を定量した。その結果、休眠ホルモンは卵巣のトレハラーゼmRNA量を処理後4時間で6〜7倍に増加させること、またこのホルモン効果はアクチノマイシンで阻害されること、さらにCa^<2+>イオンを必要とすることが明らかになった。つまり休眠ホルモンは卵巣トレハラーゼ遺伝子の発現を直接的に誘導していると結論した。
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