研究課題/領域番号 |
03404010
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
会田 勝美 東京大学, 農学部, 教授 (50012034)
|
研究分担者 |
朝比奈 潔 日本大学, 農獣医学部, 講師 (10147671)
岡 良隆 東京大学, 理学部, 助手 (70143360)
窪川 かおる 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30240740)
古川 清 東京大学, 農学部, 助手 (40134514)
小林 牧人 東京大学, 農学部, 助手 (30183809)
|
キーワード | 生殖リズム / 産卵リズム / 松果体 / GnRH / cDNA / 終神経 / 光周期 |
研究概要 |
魚類の生殖リズム(年周リズムと産卵リズム)の成立機構を明らかにすることは、成熟・産卵の人為的統御を目指す上で重要である。本年度の成果は以下の通りである。 1)雌サクラマス2+年魚の脳組織を4、6、8、10月に固定し、in situ hybridization法により、サケ型GnRH遺伝子の発現状態を調べた。その結果、視索前野に存在するGnRH遺伝子の発現は、成熟の進行と共に増加するが、他の領域の発現は変化しないことから、視索前野のGnRH細胞が生殖に関与していることが判明した。 2)雄サクラマス0+魚に6月より短日および長日処理を施したところ、早熟魚の出現は、短日区で促進された。早熟の進行と脳下垂体中のGnRH含量、GTH含量の変化は一致した。現在GnRH遺伝子の発現と光周期との関係を解析中である。 3)細胞内記録法により、終神経GnRH細胞の自発放電の原因となるペースメーカー電位のイオンメカニズムを検索した所、TTX-resistant persistent Na currentの関与が示唆された。また細胞内染色より単一の終神経細胞の形態を調べたところ、脳全体の広い部位にGnRH細胞のファイバーが分布しているのが確認された。 4)キンギョ脳下垂体を材料にし、GTHa鎖、GTH-IB鎖、IIB鎖遺伝子のクロニングを行い塩基配列を明らかにした。 5)松果体摘除、眼球摘除、松果体+眼球摘除および偽手術魚を全明下で飼育したのち、全明のまま、あるいは12L12D下に移し水温上昇により排卵を誘発したところ、全明下ではいずれの区でも排卵時刻が乱れたが、12L12D区ではいずれの区でも排卵は夜間に起こった。この結果、脳内にも光受容を行う細胞が存在することが示唆された。
|