研究課題/領域番号 |
03404012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 智也 東京大学, 農学部, 教授 (30087572)
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研究分担者 |
能田 健 東京大学, 農学部, 助手 (60218287)
林 良博 東京大学, 農学部, 教授 (90092303)
伊藤 喜久治 東京大学, 農学部, 助教授 (50100045)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
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キーワード | hCG / N-結合型糖鎖 / トリパノソーマ・ブルセイ / GPIアンカー / グロボ系糖脂質 / rPL-1 / ピリジルアミン / 下垂体膜タンパク質 |
研究概要 |
申請者らは、hCGの糖鎖のなかでN-結合型糖鎖の機能を解明する目的で、既に構造解析されている糖鎖の中で特異な構造を選択し、それらの合成研究を行なってきた。その成果として、hCGに特異的な5ないし7糖単位の化学合成に世界で初めて成功している。また、糖タンパク質の糖鎖修飾に重要なGlc3Man-OCH2CH2CH3を合成し糖分解酵素の糖鎖認識部位の特異性に対する立体構造の解析を行った。さらに、微生物関連糖鎖として、新たな複合糖質構造として注目されているトリパノソーマ・ブルセイのGPIアンカーの糖鎖部分の中核7糖鎖の化学合成にを行ない、その後、その全合成に成功した。これらに加えて本年度はヒト赤血球膜成分であるグリコホリンAのN端側ペンたペプチドの合成にモデル系で成功した。申請者らは先に、rPLで妊娠中期に分泌されるrPL-Iは複合型の糖鎖であることを示した。新たに妊娠中期ラクトジェンPL-Imの遺伝子クローニングとアミノ酸配列を決定した。興味深いことにPL-lmはPL-IとPL-Ivのモザイク構造と取り、PL-lm独自の配列は存在しない。PL-IとPL-Ivは異なった糖鎖を有していることから、PL-Imの糖鎖構造の解析により貴重な糖鎖付加情報が得られることが期待される。また、妊馬血清性性腺刺激ホルモン遺伝子α、βサブユニットの遺伝子クローニングも成功した。これらを基発現系を確立しピリジルアミノ化による蛍光標識法を用いた構造解析と糖鎖切断酵素による機能解析の解析を行う予定である。また、ラットの胎盤の糖脂質について解析したところ、妊娠中期にはGM3が多く、後期にはGD3が増加すること、それに伴い、シアル酸転移酵素の活性が上昇することが明らかになった。これと並行して、ラット栄養膜細胞腫瘍株RCHO-1の解析も行い、正常ラットの胎盤と糖脂質組成はほぼ同じであることが明らかになった。
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