研究課題/領域番号 |
03404023
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 俊男 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00027088)
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研究分担者 |
樋口 京一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (20173156)
細川 昌則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00127135)
秋口 一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (30115779)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 老化促進モデルマウス / 老年期脳障害モデル / 老化 / 学習・記憶障害 / 脳萎縮 / 網様体 / 脂肪酸 |
研究概要 |
1.P/8を用い受動的回避反応における潜時と脳幹部空胞変性を精査したところ、脳幹網様体大細胞群の脊内側部の海綿状変性と記憶障害が密接に関連することが分かった。R/1の脳幹網様体大細胞群を両側破壊し受動的及び自動的回避反応をテストしたところP/8と同様に学習・記憶障害を認め、脳幹網様体と学習・記憶機能との間に密接な関連があることが分かった。2.合成ヒトβ/A4_<1-24>ペプチドに対する抗体を用いP/8脳の免疫組織化学的研究の結果、中隔野、大脳皮質深層・海馬、小脳、脳神経核及び根部等広汎な部位に径1.5〜2.5μmのβ/A4様免疫活性陽性顆粒(β-LIGS)を認めた。本顆粒は加齢と共に増加し、特にP/8脳では著しい。β-LIGSの構成成分はβ/A4部位を含む14〜18kDaのAPP断片の可能性が高い。3.画像解析装置を用い、P/10脳の萎縮部位を同定した。加齢に伴い最も強い萎縮をみたのは大脳前頭野新皮質でその他の皮質領野、嗅脳系皮質、扁桃体にも広範に萎縮をみた。大脳皮質萎縮は大型ニューロンの脱落と細胞体萎縮による。正常老化R/1脳では生後24ヶ月齢で頭頂野新皮質の軽度の萎縮をみる程度である。以上アルツハイマー病との類似はP/10のモデル動物としての重要性を示唆する。4.P/10マウスを用い、T-迷路を使用した条件回避学習テストを行ったところ、対照のR/1に比べP/10マウスでは、T-迷路にて左・右の弁別能力は維持しているが、条件刺激と無条件刺激を関連さすことにより、来るべき嫌悪ショックを予知し回避する能力が加齢によって低下してきたことを示す。5.食餌中の脂肪酸の変化がP/8の学習・記憶障害に与える影響をみるため9%のべにばな油(リノール酸に富む)、あるいはしそ実油(α-リノレン酸に富む)を含む精製飼料を自由摂取させ種々の学習課題について検討したところ、しそ実油群において学習・記憶障害の進展が有意に抑圧されることが分かった。
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