研究課題/領域番号 |
03404024
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
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研究分担者 |
小寺 重孝 日本モンキーセンター, 園長 (40072673)
中村 正聡 群馬大学, 医学部, 助手 (10251092)
狩野 繁之 群馬大学, 医学部, 講師 (60233912)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | マラリア / 熱帯熱マラリア原虫 / 遺伝子解析 / 免疫学 / ワクチン / 疫学 |
研究概要 |
マラリアワクチン開発研究においては流行地住民の免疫状態を調査した結果をもとにマラリア原虫防御関与抗原を特定することが必要である。われわれは、マラリア患者および、マラリア流行地住民の協力を得て、マラリア原虫に対するポリクローナル抗体を得て熱帯熱マラリア原虫の47kDタンパクが急性期の感染の免疫反応に関与することを見出した。47kDタンパクに対するモノクローナル抗体を作製し培養によって得た熱帯熱マラリア原虫との反応性をレーザースキャン蛍光顕微鏡法によってしらべてみたところ、47kDタンパクは分裂体の発育段階にある原虫により提示される抗原であることが判明した。分裂体抗原は防御に関与する例が多いので、この知見は47kDタンパクが防御関与抗原であること、すなわちマラリアワクチンの候補物質として有望であることを示す結果と考えた。そこで47kDタンパクの遺伝子を特定し、47kDタンパクの構造を解析し、防御免疫性について検討することを課題とした。培養した熱帯熱マラリア原虫をもとにcDNAライブラリーを用意しλ gtllに繋いで細胞に導入し、すでに用意されたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体によって目的とするタンパクを発現している細胞を選別しクローン化した。この作業をもとに47kDタンパクの遺伝子配列をきめたところ、すでに報告されたヒトの遺伝子配列と一致する結果となった。その理由は現在不明である。現在HPLC法により原虫抗原から47kDタンパクを純化しアミノ酸配列をきめる実験を進め、間もなくその結果が得られるので、この結果との対照により検討する予定である。また実験動物を使用して防御免疫をしらべた結果、INF-γやTNF-αは防御と同時に免疫学的障害にも関与することを示唆する結果を得た。さらに熱帯地住民の調査から熱帯熱マラリア原虫の23kDタンパクが慢性期の防御関与抗原であることを示唆する結果を得た。
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